FASHION 自分の好きを身に着ける。

大好きなものだから直して使う、いつまでも。スタイリストの荻野玲子さん「洋服をダーニングする」。May 19, 2026

気に入っているものほど、使う頻度が高くなる。だから、汚れたり壊れたりすることも。それでも愛おしさは残るので、処分するにはしのびない。そんな思いのこもった品をプロに頼んだり、自分の手で直したりしながら使い続けている人々に、愛用品と〝直したい気持ち〞を教えてもらった。

大好きなものだから直して使う、いつまでも。スタイリストの荻野玲子さん「洋服をダーニングする」。花柄シャツは後ろ身頃に当て布をした。手縫いのTシャツは生地が薄くなってきた袖部分をダーニング。どちらも長年、大事に着ていた。直したことで「より愛着がわきました」。
花柄シャツは後ろ身頃に当て布をした。手縫いのTシャツは生地が薄くなってきた袖部分をダーニング。どちらも長年、大事に着ていた。直したことで「より愛着がわきました」。

破れても手放したくない服は、自分の手で修復する。

 東京と長野・松本の二拠点で生活をする荻野玲子さんが、服や小物にダーニングをするようになったのは、約2年前のこと。

「週末は松本でヴィンテージ雑貨店を営んでいます。扱っているのは、古いものやすでにあるものの形を変えたもの。店をやっているうちに自分の破れた服や、買い付けてきた古布をどう
にかできないだろうかと思うように。それがお直しを始めたきっかけです」

 ダーニングは本やSNSを見て自己流で勉強。綿にはこの糸が適しているなど、生地ごとにいろいろな糸を買っては試している最中だ。

「今は同系色の糸を使ったり、花柄シャツに別の花柄の布を当てて縫ったりなどしていますが、あえて目立つ色でもやってみたいですね」

 また、経糸と緯糸の色を変えて、見え方の研究も。Tシャツは2か所、ダーニングしているが、それぞれ経糸と緯糸の色を入れ替えている。

「このTシャツでは、経糸が茶色のほうが馴染みました。やってみないとわからないことが多いので、やりながら上達していきたいです」

 2㎝四方程度の小さいものならば20分くらいで完成。ダーニングマッシュルームと針と糸があればどこでもできるので、ちょっとしたすき間時間にも手を動かすことができる。

「手仕事の服が好きで、この古着のTシャツもよく見るとステッチが不揃いで手縫いなんです。引き継ぐ気持ちで大切に着ていきたいです」

ダーニングした部分。一見すると目立たないが、よく見ると経糸と緯糸に紫と茶の異なる色を使っている。
ダーニングした部分。一見すると目立たないが、よく見ると経糸と緯糸に紫と茶の異なる色を使っている。

荻野玲子スタイリスト

2013年、アシスタントを経て独立。’22年夏に松本でヨーロッパのヴィンテージ雑貨を扱うショップ『レヴォントゥリ』をオープン。週末は店頭に立っている。

photo : Takashi Ehara edit & text : Wakako Miyake

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