Title. Santa Claus Is Definitely Here To Stay
Artist. James Brown
1970年のアメリカ。人種のるつぼにサンタは降り立つ。JBは人類を救うために現れた。貧困や争いから。あらゆる人々に、ひとりの例外もなく幸せというものが訪れるようにと歌い叫び踊り怒り笑いそして死んでいった。そのすべてをファンクと呼ぼう。そのすべてをソウルと呼ぼう。ファンクは音楽の形態ではなく、ひとつの生命体のようなもの。消滅することなく、地球を覆う日が来ることを。明るい祈りのようなナンバー。このシングルが出た年にアメリカ人であるということは素晴らしいことだったんじゃないかと妄想する。B面にはジェームスといっしょに歌えるように、とカラオケを収録。声がなくたってJBのやさしさは隅々まで染み渡っていて、泣ける。 シングル『Santa Claus Is Definitely Here To Stay』収録
Sunday Night
Title. White Christmas
Artist. Darlene Love
フィル・スペクターはエコーの向こうに神を見た男と言われることもある。ちゃんとした大人ならそんなところに神はいないと知っています。音を重ねていくことでポップスが生まれたりする。迫力や高揚が巻き起こったりする。ギターとドラムとベースとピアノで足りなければ、何回でも重ねてみる。徹底した足し算主義のもと“音の壁”というモノを作り出した。決して引くことのない余裕のなさは、孤独を埋める無為な作業とも重なる。しかしここにあるのは最高の歓喜の極み。最高がずっと続くようにとレコードにプレスした。クリスマスの夜。街にあふれる無数の想い。小さきひとつひとつは重なり混ざり溶け合い澄んだ夜空へと昇っていく。その先に神さまがいます。 アルバム『Christmas Gift For You From Phil Spector』収録