MUSIC 心地よい音楽を。

今月の選曲家 畠山美由紀February 19, 2016

Feb. 19 – Feb. 25, 2016

Saturday Morning

0219_土曜の朝 &Premium
Title.
Somewhere but here
Artist.
Akira Uchida
もしも寒い2月のある土曜日があなたにとって休日で、もしもその朝に雨か雪が降っていたら―—。まだもう少し寝ていようと思いながらもカーテンだけは開けて、薄暗い空をじっと寝床から眺めてみる。無意識にいろんな事が思い出され、心の底に静かに静かに降りて行くような感覚になる―—。ピアニストであり、ソプラノ・サックス奏者であり、14世紀の古楽器クラヴィーコードの奏者でもある内田輝さんが、湯布院のカフェ・クリークスで、ほぼ即興で作ったというこのソロピアノ・アルバム。知らぬ間に、感覚が研ぎ澄まされると同時に瞑想しているようなリラックス感も与えてくれます。独特のこもった音の感じも落ち着きます。ピアノ調律もご本人だそうです。
アルバム『after the rain at creeks.yufuin silence feat.akira uchida』収録。

Sunday Night

0219_日曜の夜 &Premium
Title.
愛のささやき
Artist.
MICHEL LEGRAND
小説をはじめにに読んだのですが、この曲の存在を長いこと知りませんでした。フランソワーズ・サガン原作「冷たい水の中の小さな太陽」より、映画の方は「冷たい」が消えて日本語タイトルが「水の中の小さな太陽」となっているようです。その映画の中から胸が締め付けられるような名曲「愛のささやき」。後に、作詞がサガンで、作曲がミッシェル・ルグランという名前を見て、「うっそ、びっくり」と鳥肌が立ちました。愛と同時に存在するエゴイズムをテーマにした物語。主人公の男の最後のセリフ、今でも覚えているなぁ。できたら歌詞を読みながら聴いてもらえたらなお、感動的かと。ぜひ安心して聴いてみて下さい。なんせミシェル・ルグランの曲ですから!
アルバム『Le Cinéma de MICHEL LEGRAND』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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シンガー・ソング・ライター 畠山 美由紀

〈Port of Notes〉〈Double Famous〉のヴォーカリストとして活躍する中、2001年ソロデビュー。近年の活動は2011年、故郷・気仙沼を想い、アルバム『わが美しき故郷よ』を発表し話題に。2012年10月1日(コーヒーの日)、ギタリスト小池龍平とのアルバム『Coffee & Music~Drip for Smile~』を発表。2013年、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽担当、近年のジェーン・バーキンのワールドツアーに音楽監督/ピアニストで活躍中の中島ノブユキをプロデューサーに迎え、“雨の日のためのアルバム”をコンセプトに、アルバム『rain falls』を発表。2014年に往年の演歌・歌謡曲の名曲集アルバム『歌で逢いましょう』を発表。生きる歓びと悲しみ、目に見えない豊かな世界、人生をより愛おしく生きるための確かな手触りを感じられる、聴く人の心に寄り添う歌を歌い続ける。現在は、FMヨコハマ「Travelin’ Light」(生放送/土11~13時)のDJとしても活動中。

hatakeyamamiyuki.com

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