伊藤ゴロー — 作曲家/ボサノヴァ・ギタリスト/音楽プロデューサー | & Premium (アンド プレミアム)

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作曲家/ボサノヴァ・ギタリスト/音楽プロデューサー 伊藤ゴロー


December 27, 2019 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/伊藤ゴロー vol.4

December.27 – January.03, 2019

Saturday Morning

Title.
La Fille Aux Cheveux De Lin
Artist.
The Bombadils
こんなに可愛らしい歌は聴いたことがない。フランス人チェリストのロバン・デュプイに教えてもらった。誰にも教えたくない曲。自分だけの大切なうたにしたい……でも教えちゃいます。ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」に素敵な歌詞がついて、とてつもなく素敵なアレンジで歌われている! 朝靄の森の中で聴いたらどんなにしあわせだろうか?
 そんな妄想が頭の中を駆け巡る。

⁠アルバム『New Shoes』収録。 


Sunday Night

Title.
Bagatellen I.- XIII.
Artist.
Valentin Silvestrov
たまに夢から醒めようとするまどろみのなかで、とてつもなく美しい音楽が流れることがある。誰の曲かも知らない、まして自分が創作した音楽でもない。急いで起き上がってその音楽を思い出そうとこころみるが、あっという間に消えてしまう。夢で聴いた曲はこんなだったかも? と思わせる音楽がある。ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフだ。僕にとってシルヴェストロフの音楽は眠りの音楽。
眠りの中の自分が覚醒していくかのように生命の臨界すれすれの美しさは、繊細で儚い。
アルバム『Bagatellen Und Serenaden』収録。




『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽』 好評発売中。

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ミュージシャンやクリエイター、写真家など、音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場。 土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする連載が、初めて一冊にまとまりました。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全204曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。 詳しくはこちら


December 20, 2019 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/伊藤ゴロー vol.3

December.20 – December.26, 2019

Saturday Morning

Title.
Bleue
Artist.
Ky
パリを拠点に活動する仲野麻紀とヤン・ピタールのユニット、Ky(キィ)。モダンでメタリックなサックスの響き、ウードの音色はユーラシアの砂漠を行き来するグリオのようだ。2人のアンサンブルは、時間線を跨ぎながら虚に空間を漂う。冒頭のエリック・サティの曲はアルメニアの洞窟修道院で歌われる聖歌のようにも聴こえる。白日夢に見たサハラブルー。
アルバム『Désespoir Agréable』収録。

Sunday Night

Title.
Voyage
Artist.
Anja Lechner
子供の頃から寝つきが悪い。今でも、そう簡単には眠れない。なにかやり残したことがあるような気がして、(実際にあるのですが)心配で眠れないのです。アニヤ・レヒナーはフランソワ・クチュリエの「ノスタルジア」という作品でも共演している女性チェリスト。静謐で祈りのようなチェロの音色は永遠の欠片。これを聴きながらおとなしく眠れるかな、と思う。
アルバム『Moderato Cantabile』収録。




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December 13, 2019 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/伊藤ゴロー vol.2

December.13 – December.19, 2019

Saturday Morning

Title.
Different Trains
Artist.
デイヴィッド・ロバートソン指揮 リヨン国立管弦楽団
今年の土曜日もあと3回。この時期独特の、新しい朝の空気と光。
おすすめしたいのは、スティーブ・ライヒの「Different Trains」。第二次世界大戦時の体験が作曲のテーマらしいが、僕は単純に、疾走する走行音、黒煙をはく機関車の咆哮がスリリングに挿入されているところに興奮するのだ。「Pacific231」(Pacific 231の”231”の数字は車軸配置を表している)という曲がある。フランス6人組のアルテュール・オネゲル1923年の作品で、機関車が蒸気を吐きながらゆっくりと車輪が動きだし、やがて疾走してゆく様を描写した音楽。アルフレッド・ジャリの『超男性』の中の機関車と五人乗りタンデム自転車によるパリ⇄シベリア1万マイルレースの物語がシンクロして、「Pacific231」の文字を見ただけで、空想世界に傾倒していた青春時代が蘇ってくるのだが、「Different Trains」も同じ気分になる。
アルバム『Steve Reich: Different Trains』収録。

Sunday Night

Title.
The States
Artist.
Julia Wolfe
僕は機関区の目の前の家で生まれた。(またしても汽車の話!)
子供の頃は、近所の子らと、こっそり操作場に入って遊んでいた。回転台のC60形蒸気機関車を見るのか好きだった。ジュリア・ウルフの「The States」と名付けられたこの作品は、機関車を描写したアンサンブルの中でアメリカの州の名前が歌われている。ボーカルグループ、トリオ・メディーヴァルとバング・オン・ア・カンによる少しロックな室内楽はミニマルで、ちょっとユーモラスで、まさにパタフィジックな音楽と言ってもいいのではないでしょうか。
アルバム『Steel Hammer』収録。




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December 06, 2019 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/伊藤ゴロー vol.1

December.06 – December.12, 2019

Saturday Morning

Title.
Entr’acte
Artist.
Caroline Shaw /Attacca Quartet
ジャケットのオレンジは冬空の澄み切った青によく映える。
キャロライン・ショウの作曲は様々な様式の引用、そして音楽語法への抵抗。ハイドン、ラヴェル、モンテヴェルディ、バルトーク、モーツァルト、バッハなどの断片を様々なテクスチャーで切り刻み、グラス、ジョン・アダムズ的なアルペジオ、ピッチカートが全体を覆い尽くす。チャーミングでユーモアがあって全曲通してなんども聴けるアルバムだ。
アタッカ・クァルテットは2020年に来日する。プログラムにもキャロライン・ショウの「Entr’acte」が予定されているのでそれもたのしみだ。
アルバム『Orange』収録。

Sunday Night

Title.
Twelve-Year-Old Scotch
Artist.
Corey Dargel
コーリー・ダーゲルの2010年のアルバム。今年の冬は毎日のように長靴を履いて外を歩き回っている。雨も降ってないのに長靴で過ごしていると北国生まれの僕にはとても気分がいい。そして帰宅したらこれを聴く。クラシカルな楽器とエレクトリック、ドラムとヴォーカルが複雑に絡み合うコンポジション。クラリネットやピッコロが不思議な世界を作り出していて、曲によってはミニマル・ロックなテクスチャーに古楽アンサンブルが絡んでいるような印象をあたえてくれる。まさに時代、様式を越境した音楽。
アルバム『Someone Will Take Care Of Me』収録。




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作曲家/ボサノヴァ・ギタリスト/音楽プロデューサー 伊藤ゴロー

ボサノヴァ・フィーリングを感じさせる独自の楽曲で、ロック~クラシック~ミニマルとジャンルを横断し音楽を探求。独特のストリングス・アレンジやハーモニーはコードの魔術師と呼ばれる。ソロ以外にもボサノヴァ・デュオ「naomi & goro」としても活動中。坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏、「ジャキス&パウラ・モレレンバウム」との共演は海外でも話題を呼んだ。2017年、アルバム『アーキテクト・ジョビン』がハイレゾ音源大賞、ブラジルディスク大賞2位を受賞。近年は、原田知世のアルバムをプロデュース。最新アルバム『Candle Lights』収録曲「冬のこもりうた」は、現在公開中映画『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』の主題歌となり異例の大ヒット。
V.A.『ゲッツ/ジルベルト+50』他、多数のアルバムをプロデュース。映画『君は月夜に光り輝く』『思い、思われ、ふり、ふられ』、TVアニメ『アルテ』を始め多くの映画音楽を担当。2020年1月1日一般発売、Negiccoのkaede 1stフルアルバム『今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。』 収録曲、「永遠の断片(かけら)」(作詞・作曲・編曲:伊藤ゴロー)を楽曲提供。
http://itogoro.jp