MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 小西康陽 May 25, 2018
May.25 – May.31, 2018
Saturday Morning

この曲の魅力をうまく言葉で説明できるかな? 聴いてもらえたら、何も言うことはないのですが。都会に生きる人の、あくせくした日常と捉えどころのない憂鬱を歌った歌ですが、リード・シンガーのボビー・スミスに加えて、イヴェット・ベントンという女性歌手、さらにメンバーでベース・ヴォーカル担当のパーヴィス・ジャクスンが絶妙に合いの手を入れる、寸劇、と言うか、TVのラヴコメみたいな、ちょっと他にありそうでない曲に仕上がっています。大ヒット曲の多いスピナーズですが、土曜の朝に聴くならぜひこの曲を。
アルバム『Pick Of The Litter』収録。
アルバム『Pick Of The Litter』収録。
Sunday Night

この曲はジ・インプレッションズのレパートリーで、作者はもちろんカーティス・メイフィールドです。彼らの歌うオリジナル・ヴァージョンももちろん素晴らしいのですが、ここではアーチー・ベル&ザ・ドレルズのカヴァーを選びました。「タイトゥン・アップ」というダンス・ナンバーが思いがけず大ヒットして人気者になったグループですが、もともとはジ・インプレッションズの若いフォロワーだったのでしょうか。恋愛のむずかしさ。恋することのもどかしさ。ひっそりとしたコーラスに、いつも感動してしまいます。
アルバム『I Can’t Stop Dancing』収録。
アルバム『I Can’t Stop Dancing』収録。
音楽家 小西 康陽

音楽家。1985年、ピチカート・ファイヴのメンバーとしてデビュー。解散後も、数多くのアーティストの作詞/作曲/編曲/プロデュースを手掛ける。2011年、PIZZICATO ONE名義で初のソロアルバムを発表。2015年、セカンドアルバム『わたくしの二十世紀』を発表。過去に手がけた楽曲をまとめた5枚組CDボックス『素晴らしいアイデア小西康陽の仕事1986-2018』(ソニー・ミュージックダイレクト)が6月6日にリリース。