BOOK 本と言葉。
『数学する人生』岡潔・著 森田真生・編(新潮社)Book 33 / July 29, 2016
This Month Themeノスタルジックを駆り立てられる本。
「人は一日一日をどう暮らせばよいか。」この本の始めに置かれた数学者の問い。人が「懐かしい」と感じる心の動きを「情緒」と呼び研究人生の中心に据えた、孤高の数学者、岡 潔。彼の数学とその人生に魅せられ数学の道へと進んだ編者は、岡の思想が「内外二重の窓」を開け放ってくれたと言う。数学の詩人ともいわれる岡。磨いたばかりのガラス窓のように、曇りのない言葉がいくつも並ぶ。一人の生き方は、不確かな明日を生きる誰かの人生をも励ますことがある。一日一日の暮らしの積み重ねからしか、どんな偉大な思想も生まれない。
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2010年7月、沖縄県本島中部に位置する北中城村にオープン。物語を楽しむ、共有する本屋として本にまつわる企画・イベントなどのディレクション・コーディネートも行なう。
沖縄県北中城村字島袋309 1F