& Premium (アンド プレミアム)

Book

OMAR BOOKS OMAR BOOKS


Book 35 / August 12, 2016 『さようなら女達』大島弓子(白泉社)

さようなら女達

特別な出合いは今ある世界が一つでないことを教えてくれる。それまでの現実に別の色合いを加える初めての人、土地、音楽、本、食べもの、香り……。大島弓子さんの描く漫画もまちがいなく初めて読む人に、未知の世界に出合ったようなある種の驚きを与える。自分の感情を持て余し、その表し方がわからない思春期の甘さと痛々しいほどのイノセンス。とうに忘れてしまっていると思っていた、胸の内に眠っていた懐かしい気持ちを一瞬にして呼び起こす。まだ無邪気なゆえに自由だったあの頃を。


Book 34 / August 05, 2016 『Andrew Wyeth: The Helga Pictures』John Wilmerding(Harry N Abrams)

The Helga Pictures _ Andrew Wyeth

写実でありながら、夢の記憶の中の風景のような作品たち。この「ヘルガシリーズ」の他の作品には「火打石」「ガニング・ロックス」「クリスティーナの世界」など、アメリカの国民的画家として知られるアンドリュー・ワイエス。幹にもたれた女性のおくれ毛、土の混じった溶けかけの雪、家屋の色褪せた壁、顔に刻まれた深い皺。いつかどこかで見た景色。絵筆の毛先の運びさえも見てとれるほど、精緻に描き込まれた人物や自然が観る人をとらえて離さない。


Book 33 / July 29, 2016 『数学する人生』岡潔・著 森田真生・編(新潮社)

数学する人生

「人は一日一日をどう暮らせばよいか。」この本の始めに置かれた数学者の問い。人が「懐かしい」と感じる心の動きを「情緒」と呼び研究人生の中心に据えた、孤高の数学者、岡 潔。彼の数学とその人生に魅せられ数学の道へと進んだ編者は、岡の思想が「内外二重の窓」を開け放ってくれたと言う。数学の詩人ともいわれる岡。磨いたばかりのガラス窓のように、曇りのない言葉がいくつも並ぶ。一人の生き方は、不確かな明日を生きる誰かの人生をも励ますことがある。一日一日の暮らしの積み重ねからしか、どんな偉大な思想も生まれない。


Book 32 / July 22, 2016 『Find the Constellations』H.A.REY(sandpiper books)

Find the Constellations

絵本作家H.A.REYの、大人と子どもが一緒に楽しめる星座の絵本をめくっていると、ノスタルジーにはふたつの種類があるように思う。個人的な郷愁と、時間や場所を超えた普遍的なものと。忙しい生活の中ではっと我にかえって夜空を見上げてみると、いつだってそこに「在る」ことを忘れがちな星たちが、後者のノスタルジーをかき立てる。はるか古代から人は遠くにある星々を眺めていた。あるときは地上のものになぞらえて、あるときは大切な人の面影を重ね、あるときはその小さな光を道しるべに。


OMAR BOOKS OMAR BOOKS

2010年7月、沖縄県本島中部に位置する北中城村にオープン。物語を楽しむ、共有する本屋として本にまつわる企画・イベントなどのディレクション・コーディネートも行なう。▷沖縄県北中城村字島袋309 1F
http://omar.exblog.jp/