& Premium (アンド プレミアム)

Book

DAIKI BOOKS 有限会社大喜書店 建築家のための本屋さん


Book 87 / October 13, 2017 『もう一つの名作住宅 ハンドクラフテッド・モダン HANDCRAFTED MODERN』レスリー・ウィリアムソン 著 和田侑子 訳(エクスナレッジ) 選・文/大喜書店

daiki04

建築家の阿部勤氏の自邸「中心のある家」にお邪魔したとき、最も感動したのはその住まい方だった。良い建築を育てていくのはまさに、良い住み手なんだなと感じた。ミッドセンチュリーに活躍したデザイナーたちの家をレスリー・ウィリアムソンは6つのルールで撮っている。居住中の住宅であること、住んだ人の好みがそのまま残っていること、撮影は到着した時のままで行うこと、撮影には丸二日かけること、自然光か住宅の照明以外のライトを使用しないこと、フィルムで撮影すること。整えられたインテリア雑誌とは異なり、住まい手の力強さを感じることができる本。


Book 86 / October 06, 2017 『Watercolors by Finn Juhl』Anne-Louise Sommer 著 選・文/大喜書店

daiki03

家具の歴史が長いヨーロッパだけあって、家具本はどうも洋書の方が群を抜いているような気がする。先日、ドイツの『HATJE CANTZ』社からフィン・ユールの本が出た。日本でもフィン・ユールに関する本はいろいろと存在するが、この本は彼がデザインした家具やインダストリアルの水彩画のドローイング集となっている。コンピューターで図面を描くようになって、作り手の意志が伝わりにくくなったこの頃、フィン・ユールが描いた水彩画のドローイング集からは、独特な作業方法や選ぶ素材の質感からディテールまで、作り手の意志が繊細に伝わる本となっている。


Book 85 / September 29, 2017 『SUBUTLE―サトル かすかな、ほんのわずかのThe47th TAKEO PAPER SHOW』株式会社竹尾 編集 原研哉+日本デザインセンター原デザイン研究所 企画構成 選・文/大喜書店

daiki_02

店が狭いのでベストセラー本は置けない。そのため、ずっと存在しておいて欲しい本をセレクトすることを心掛けているが、結果、うちの店で細々とだが売れ続ける「定番本」というジャンルができた。この本は上質な紙を扱う竹尾が2014年に開催した「TAKEO PAPER SHOW2014」の「SUBTLE」の展示空間で表現された内容を書籍ならではの高精細な写真や制作物の図説・解説とともに編集し直したもの。原研哉がデザインした凝った製本と美しいレイアウトのこの図録は、本好き・紙好きには何か心を打つものがあるようで、うちの店の定番本となりつつある。


Book 84 / September 22, 2017 『建築を考える』ペーター・ツムトア 著 鈴木仁子 翻訳(みすず書房) 選・文/大喜書店

daiki_01

建築家の書く本は難しい。なので、専門家ではない人に勧めるとき「これいいですよ」なんて気安くは言えない。『建築を考える』は、詩人のような建築家が美しい言葉で建築を語る本である。人文科学専門のみすず書房が建築家の本を出すだけあって、文章が美しい。杉本博司の幻想的な建築写真とツムトアが語る彼の思考の世界は、おとぎ話みたいで建築をよく知らない人にも「これいいですよ」と勧めたい本。ちなみに装丁は、葛西薫氏。


DAIKI BOOKS 有限会社大喜書店 建築家のための本屋さん

「建築家のための本屋さん」をテーマにした京都の書店。建築事務所の一角にある建築やアート、写真にまつわる本を販売している。http://daikibookstore.com/
京都市下京区五条高倉角堺町21 JimukinoUedaBldg.302/TEL 075-353-7169