Culture

小林マナさんと鹿児島睦さんによる、 老犬との暮らしを伝える展覧会を開催。保護動物との暮らし見つめる展覧会 / September 20, 2019

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ゆっくりと歩き、ゆっくりと世界を感じる。
老犬が教えてくれた、スローな日々の心地よさ。

インテリアデザイナーの小林マナさんは、7年前から保護動物を預かるボランティア活動を続けています。2012年、初めて預かったのが被災犬だった老犬のタケでした。福島からやってきたタケは、おそらく14歳。白くてとても大きな、雑種の男の子だったそうです。

タケと暮らし始めて小林さんが驚いたのは、すべてのスピードが今まで体験したことがないほど、ゆっくりだったこと。散歩のときも歩みはゆっくり。立ち止まることもしばしばで、その度に小林さんは、一緒に足を止めて、庭先の花を眺めたり、しゃがみこんで道端の植物を観察したりしていたそうです。ゆっくりであることは、こんなにも心地よいのか。小林さんはそう気づいたと言います。

しかし、タケは小林さんと暮らし始めて7ヶ月で、急に体調を崩し、旅立ってしまいます。短くも、濃密だったタケとの生活。そこから受け取ったものを届けたいという思いで、今回の展覧会はスタートしました。

展覧会の軸となっているのは、小林さんが書いたタケとの物語。その文にアーティストの鹿児島睦さんが挿絵を添え、一冊の冊子が誕生しました。会場ではこの冊子を販売するほか、挿絵の原画も展示。また、動物好きのクリエイターたちによる、グッズ販売も行われます。参加するのは、イイホシユミコさんやなかしましほさん、桑原奈津子さんといった面々。グッズやお菓子が並び、売り上げの一部は動物愛護団体へ寄付されます。さらには、平澤まりこさんをはじめ、小林さんと同じように保護犬と暮らすら友人たちによるミニ写真展も。

保護動物のために私たちができることは何か? そんな問いを、気負わずに、でもじっくりと考えられる。そんな貴重な機会となりそうです。

『SLOW 老犬と暮らして』展
会期:2019年9月21日(土)〜28日(土)
時間:12:00〜19:00(最終日は〜17:30)
休み:9月25日
会場:ギャラリー fève
住所:武蔵野市吉祥寺本町 2-28-2 2F

●問合せ/ギャラリー fève☎︎0422-23-2592。 

text:Yuka Uchida

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