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Music土曜の朝と日曜の夜の音楽。

January 24, 2020 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/勝沼恭子+三宅純 vol.4

January.24 – January.30, 2020

Saturday Morning

Title.
They Can’t Take That Away From Me
Artist.
Ella Fitzgerald and Louis Armstrong
21歳、降りた事のない駅の坂の上にある部屋で1人暮らしを始めた。「オペラ」という名前のチョコレートケーキのような、かっちり長方形のレンガの建物の中に、同じ向き、同じ形に作られた小さな部屋が並ぶ、こぢんまりした女性専用のマンションだった。家でも社会でも檻の中の実験動物になったような気持ちがしていた時代に、このElla & Louisのアルバムを本当によく聞いていた。「唄わずにはいられない!」彼女の全身から溢れ出す歌声は瑞々しく、のびやかで、機敏で、ときめきが詰まっていた。(勝沼恭子)
アルバム『Ella & Louis』収録。

Sunday Night

Title.
Van Den Budenmayer : Concerto En Mi Mineur
Artist.
Zbigniew Preisner
映画「ふたりのベロニカ」は、フランスとポーランドに同時に生まれた同じ名前、容姿、才能をもつふたりのベロニカについて描いた、クシシュトフ・キエシロフスキ監督作品。映画を観ていると、誰かにじっと監視されているような感じがあって特別好きな映画とは言い難いんだけれど、雨の中で唄うイレーヌ・ジャコブの初々しさと、“後ろの正面”にあるものが聞こえてきそうになるこの曲は、何年経っても心から離れないでいる。(勝沼恭子)
アルバム『La Double Vie De Véronique』収録。




『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽』 好評発売中。

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ミュージシャンやクリエイター、写真家など、音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場。 土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする連載が、初めて一冊にまとまりました。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全204曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。 詳しくはこちら


ミュージシャン 勝沼恭子+三宅純

勝沼恭子
10 歳の時、在籍合唱団の選抜により、NHK みんなのうたにてレコードデビュー。15 歳で海外公演(ギリシャ)を経験する。昭和音楽大学短期大学部ピアノ科卒業と同時に CM 音楽制作会社に入社。音楽制作を学びつつ、ヴォーカリスト、ナレーターとして三宅純、菅野よう子、中川俊郎、近田春夫、鈴木慶一らの作品に参加。2019年に三宅純のプロデュースにより、ファーストアルバム『COLOMENA』をリリース。
http://www.kyokokatsunuma.com/

三宅純
日野皓正に見出され、バークリー音楽大学に学び、ジャズ・トランぺッターとして活動開始。作曲家としてピナ・バウシュ、ヴィム・ヴェンダース、フィリップ・ドゥクフレ、ロバート・ウィルソン、ジャン=ポール・グード、大友克洋らの作品に楽曲提供、異種交配を多用した個性的なサウンドが国際的賞賛を受ける。05年秋よりパリにも拠点を設け、アルバム『Stolen from strangers』『Lost Memory Theatre Act-1 』『Lost Memory Theatre Act-2』はヨーロッパの音楽誌で「音楽批評家大賞」「年間ベストアルバム賞」などを連続受賞。ヴィム・ヴェンダース監督作品『Pina』で 11 年ヨーロッパ映画賞のベスト・ドキュメンタリー賞受賞、12 年米・英のアカデミー賞にノミネート。CM、映画、アニメ、ドキュメンタリー、コンテンポラリーダンス等多くの作品に楽曲を提供。
https://www.junmiyake.com/

Photo by Bishin Jumonji