手みやげのネタ帖
『鳥すきやき ぼたん』の鳥そぼろ【手みやげのネタ帖】December 13, 2023
本誌連載「&food」担当、ライターP(ぴい)さんが毎月こっそり教えてくれる、おいしい手みやげメモ。
手渡すひと言「ご飯が進んで困ります」
神田の街に、戦争を免れた一角がある。まるで映画のセットかと見紛う渋い店が『鳥すきやきぼたん』だ。創業は明治期。由緒ある建物は東京都選定歴史的建造物に指定されている。ここでいただけますものは、店名にある鳥すきやき。追い込み席で(それもいいんだなぁ)備長炭と小さな鉄鍋で、もも、胸、胸、砂肝、レバー、ハツ、皮といった鳥の一物全体的内容に焼き豆腐、しらたき、ねぎなども加わって、濃い目の割下でクツクツ煮て、溶き卵につけてぱくっ。江戸時代の粋な男に変身したような気分になる。締めはやっぱり、おじやにしたい。お漬物も格別のおいしさ。久々に伺った帰り道、おみやげの「鳥そぼろ」を発見。そりゃあ、買って帰るでしょ。手頃なお値段なので、友達の分も購入。ご飯にかけてね、と渡したが、割下で煮込んだ甘辛味に、おかわり必至。
「鳥そぼろ」 120g¥1,000(持ち帰りのみ)
お取り寄せは、300g¥2,200、500g¥3,300。
鳥すきやき ぼたん
東京都千代田区神田須田町1-15 ☎03-3251-0577 11:30~21:00(入店は〜20:00) 日祝休
https://www.sukiyaki-botan.co.jp/backorder
写真・文/P(ぴい)
ライター 渡辺 紀子
皆からの呼び名は、P(ぴい)。「食べるものなら、おいしくてもおいしくなくても愛おしい」を口上に、『&Premium』創刊時から食の連載「&food」を担当。