台湾スイーツ食べ比べ
具材や作り方に独自のこだわりがある豆花。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】April 15, 2024
映画監督の夢の工房で味わうヘルシー豆花。
店名は「夢の基地ー監督の豆花店」という意味。店主の何監督はかつて友人の齊柏林(チーポーリン)監督とある約束をしたという。空撮で台湾の大地を記録していた齊監督に対し、「あなたが空を飛び回るなら自分は地を駆け巡り、台湾の土地のために尽くす」と語ったという。残念ながら齊監督は2017年に事故で亡くなってしまうが、何監督は子どもたちの夢と感性を育てるため、各地をバンで巡り、豆花の作り方と撮影技術を教えてきた。現在は迪化街の老家屋を拠点としている。具材にはクチナシの花味の「粉粿(わらび餅に似たもの)」や、タロイモ、サツマイモ、紫芋などで作ったミニ団子などが並ぶ。彩り豊かでありながらも深みのある味わいの豆花。そこには監督の熱い思いが込められている。
モンシアンチーディー・ダオイエンダトウホワディエン
台北市大同區迪化街一段224巷24號 ☎02−2713−1979 12:00〜18:00(金土日11:00~) 月火休 3種類のトッピングで80元。
塩味と甘味のグラデーションを楽しめる豆花。
MRT忠孝新生駅から歩いてすぐ。5坪ほどの店だが、磨石子(人造大理石)でできた緑のカウンターと赤いテーブルのコントラストが目を引く。店主の雹仔さんは古いモノ好きの青年で、店全体が昔懐かしい雰囲気に包まれている。ここでは鮮度を重視し、台湾産大豆を使用。にがりで固めているが、通常のにがりを用いたものよりも塩味がはっきりと感じられる。口に入れた瞬間、これまでに体験したことがない独特な味わいに驚くはずだ。シロップは二砂(デメララ砂糖)と黒糖、冬瓜糖の3種類を煮詰めたキャラメル風味。口の中で塩味と甘味が融合し、豊かな風味が広がる。具材には仙草ゼリーやタピオカ、小豆、ピーナッツなどがあり、濃厚な味わいのタロイモ団子「芋圓」はマストだ。
パオツァイトウホワ
台北市中正區臨沂街27巷9−4號 ☎0900−771−131 11:30~21:00 無休 3種類のトッピングで70元。濃厚な豆乳に入った豆花もある。
文/片倉真理
※この記事は、No. 125 2024年5月号「&Taipei」に掲載されたものです。