台湾スイーツ食べ比べ

珍しいトッピングもある変わり種の創作スコーン。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】April 17, 2023

創作スコーン
 最近、洋菓子のレベルが格段に上がっている台湾。ダックワーズやカヌレなどもよく見かけるが、ここ最近、人気が急上昇しているのはスコーン。台湾では「司康」と表記され、専門店が次々と登場している。店によって食感や風味、サイズ、形は異なるので、お気に入りのスコーンを探してみるのも楽しい。今回は台湾ならではとも言うべき、アイデア豊かなスコーンたちを紹介してみたい。一軒は台北駅の北側に位置し、下町の雰囲気が漂う太原路の路地にある『Sconeholic 司康中毒』。ヴィンテージのインテリアが置かれたレトロで可愛らしい内装も魅力的な店。もう一軒は「國父紀念館」に近く、開店前から行列ができる『Ruby’s』。それぞれ味わいが異なるので、食べ比べを楽しんでみたい。
創作スコーン<i>&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ </i>

台湾らしいとっておきのスコーンが味わえる店。

 英国へ遊学した際に本場のスコーンを味わい、そのおいしさに開眼したという店主。まさに自身が「スコーンホリック」となり、滞在中は様々な店を巡り、味比べを楽しんだという。表面はサクサク、中はしっとりとしたスコーンは、何個でも食べられそうなおいしさ。常時6種類前後を販売し、種類は月ごとに変わる。珍しいのは台湾料理に欠かせない食材である揚げエシャロット(油葱酥)と肉でんぶ(肉鬆)を入れた2種類。香り豊かで想像以上にスコーンに合うと評判だ。さらに故郷の台東産の紅烏龍茶を用いたものも人気。材料は厳選し、放し飼いで育てられた鶏の卵、フランス産バターなどを使用。今後も台湾産キヌア入りなど、台湾らしいものを開発していくとのことで期待したい。

Sconeholic 司康中毒
スコーンホリック・スーカンツォンドゥー

台北市大同區太原路97巷8號 ☎非公開 13:30~18:30 不定休(FB、IGで確認) 油葱酥味60元、台東紅烏龍味65元。

Sconeholic 司康中毒(スコーンホリック・スーカンツォンドゥー)
創作スコーン<i>&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ </i>

餅やクリーム入りなど変わり種のスコーン店。

 店主のルビーさんは子どもの頃からお菓子作りが得意だったという。3年前にフラワーショップの片隅で開業し、2021年夏に独立店舗を構えた。「お客さんのリクエストを聞いていたら、どんどん種類が増えていったんですよ」と笑う。現在は全部で30種類あり、そのうちの9種類が月替わりで店頭に並ぶ。人気はタロイモペースト&餅入り、黒糖豆乳味、高山烏龍茶味など。また、生クリームと餅、小豆、キンモクセイ味のクリームは追加でトッピングできる。新商品の開発には約1か月をかけ、作りたてだけでなく、あえて時間を置いて試食し、風味に変化がないかをチェックするというこだわりよう。店内には長椅子が1つあるのみなので、テイクアウトして近くの公園で食べるのもよし。

Ruby’s
ルビーズ

台北市大安區光復南路328號 ☎非公開 13:00~19:00 月木休 スコーンは1個55元~。アメリカンクッキーも販売。

Ruby’s(ルビーズ)

文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 113 2023年5月号「&Taipei」に掲載されたものです。


台北在住ライター・コーディネーター 片倉真理

1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

instagram.com/marikatakura

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