台湾スイーツ食べ比べ
アイスキャンディでも楽しめる台湾フルーツ。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】September 19, 2022
老舗の味を学んだ青年が創業したブランド。
「日本のラーメンのような濃厚な味わいがウリです」と笑うのは創業者の林于農(リンユィノン)さん。商品は11種類で、マンゴーや桑の実、イチゴなどフルーツ味をメインとしている。聞けば、父親の故郷である台南郊外の山上(サンシャン)という街にある名店『阿燕姨冰枝店(アーイエンイーピンツーディエン)』で作り方を学んだという。「子どもの頃の味が懐かしく、それを再現したかったんです」という林さん。店主の下で修業を積み、素材の比率を綿密に記録し、データ化する作業も進めた。創業後は自ら車を運転し、台湾全土を営業して回っている。現在は各地の観光スポットを中心に販売している。「おいしさはもちろんですが、子どもたちが安心して食べられるものを作りたいですね」という林さん。誠実さも伝わってくるアイスキャンディだ。
(ピンコンツ)
台北市大同區迪化街一段34‒1號(台灣物産) ☎02‒2552‒1853 10:00~18:30 無休 『好丘』(圓山店)や『天和鮮物』(華山旗艦店)などでも販売。
規格外の果物を利用したアイスキャンディ。
「本物のフルーツを食べているかのような感覚でアイスキャンディを楽しんでほしい」。そう語るのは2代目オーナーの李至菘(リーツーソン)さん。かつて初代が台東県鹿野(ルーイエ)に移り住んだ際、果物農家の苦労を目の当たりにしたという。そこで何かできないかと考え、規格外の果物を市場と同価格で仕入れ、農家の収入と暮らしを支えつつ、商品の開発に勤しんだ。現在は限定品も含めて全12種類が揃う。釈迦頭(しゃかとう/シュガーアップル)味にはあえて種を入れたままにし、スイカ味には甘味をアップさせるべく、台南産の海塩を加えたりしている。他店では見られない特別なフルーツを用いたものもあり、最近は台東県産の高級品種・夏雪マンゴーを用いたものが話題となっている。値段は1本40~80元。
ツンイーツーサンハン
台北市信義區忠孝東路五段372巷28弄3號(本店) ☎02‒2345‒6617 9:00~18:00 土日休 写真は夏雪マンゴー味や海塩入りスイカ味など。
文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 106 2022年10月号「&Taipei」に掲載されたものです。