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私にとって当たり前にある存在。コーヒーと過ごす、ひとり時間。 写真と文:『TONE』店主・橋口菜花 #3April 18, 2025

ひとりで過ごす時間がある時は、だいたい本を読む。

今年のちいさな目標「家にある本を読みなおす」もあり、少しずつ読み進めている。

小学生から中学生まで朝の読書の時間が必ずあったこともあり、本を読むことでリフレッシュできる自分もいる。小説やエッセイ、専門書を好んで読むのだけれど、特にエッセイは人の個人的な見解や他人の脳を覗いている感覚になるので新たな視点を知れて読むことが多い。

読む場所はまちまち。

家で読むこともあるし、カフェや公園、ベンチのときもある。

家で読む時は、海外に住む友人がお土産でくれたコーヒーを淹れて甘いものを添える。ただ、誘惑が多すぎるので、ページをめくる回数は少ない(愛猫にすこぶる弱い)。

コーヒーと過ごす、ひとり時間。 写真と文:駒沢『TONE』店主・橋口菜花 #3 /コーヒー

新しいカフェや気になるカフェにも行きたいのだが、どうもおしゃれすぎると緊張するし、人が多いところは集中できず断念してしまう。

スカイツリー付近に住んでいた頃は自転車を走らせて浅草にある『ロッヂ赤石』によく行っていた。『ロッヂ赤石』といえば、ナポリタンという記事をよく見るけれど、私は海老ピラフか胃の調子がいい時は海老重かカツ重。

食後にサイフォンで淹れたコーヒーが定番。最近は引越しをしてまだそういった場所を見つけられていないせいか、コンビニなどでさくっとコーヒーを買って、広い公園に行ったり、街のベンチで読むことも増えた。

お昼過ぎになると、家の近くの『ENJOY』が開くので帰りにまたコーヒーを買ったりもするのだけれど、だいたいはラーメンを食べて帰っている。

「ん?何回もコーヒーでてくるな」

全く違う題材にしようと書き進めていたのだが、このコラムを書きながら笑ってしまった。

ちなみにこれを書いている時もコーヒーを飲んでいる。なるほど。私の中で、ひとりで過ごす時間や読書の時間には必ずコーヒーがあるらしい。当たり前のような存在。そりゃそうか、ほぼ毎日コーヒーを淹れているからね。

気づく瞬間というのは面白い。その意味や価値を再確認しているかのように思う。なんだかうまいことまとめようとしているのだけれど、日常に溶け込む嬉しさを感じたように、「当たり前のようにそこにいる」「そこに行けば会える」みたいに地域に溶け込んでいくということを考えながら、今日もまた駒沢という町でコーヒーを淹れる。

あ。おすすめのカフェや喫茶店があれば、ぜひ教えてほしいです。

edit : Sayuri Otobe


『TONE』店主 橋口菜花

1990年生まれ。美容師から飲食業界に転身し、現在は「crage」に入社。2024年5月世田谷区駒沢に『TONE』という焼き菓子とコーヒーのあるカフェの立ち上げから関わり、店舗管理・マネージャーとして働いている。

instagram.com/tone_bakes

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