&EYES あの人が見つけたモノ、コト、ヒト。
サワードゥ日誌 vo.2。鎌倉『pide』のバター&チーズサンド。 写真と文:池田浩明 (『パンラボ』主宰) #2April 14, 2025
サワードゥの先進地・ノルウェーから、女性パン職人Burcuさんが突如日本に舞い降りてマイクロベーカリー『pide』をはじめた。
場所は鎌倉。商店街をずーっと歩いていったところにある元々交番だった建物。
油断してゆっくり行ったら着いた時には大行列。

鎌倉の人はサワードゥが好きなんだなーと安堵した。
中では、Burcuさんのご主人が「Hi!」と笑顔で会話しながら接客中。売り場のカウンターにホイップバターが入ったお皿を発見した。
これって、ひょっとしてBMO?
BMOとはデンマークで見た、現地の人が毎日のように食べるサンドイッチ。焼いたサワードゥを小さく一人分に切って、バターとチーズをはさんだもの。
やっぱりそうだ。
ご主人、注文が入ると、おもむろにバターを塗り、チーズをはさんで「はい」と手渡すのだ。
この風景を見せられたらたまらん。
あと1個か2個しか残ってなかったのでかなり焦って、僕は「BMO、BMO!」と連呼して確保したのだ。
サワードゥって酸っぱくて硬くて食べにくいイメージがあると思うけど、これは目からウロコ。シンプルな組み合わせだけに素材と素材、つまり、麦とミルクがとろけあって、酸味やアルコール分を含んだルヴァン種の香りも相まって、僕は食べ狂った。

この美味しい食べ方をみんなに知ってほしいものだなー。
もうひとつの北欧名物カルダモンロールも、家まで我慢できず若宮大路のベンチで夢中で食べていたら、手に衝撃が走った。
あっという間に、僕の手からカルダモンロールがなくなっている。
なにが起こったのか!?
僕は目の端で、猛スピードで過ぎ去っていく飛行物体を捉えた。
トンビだ! しまった。
鎌倉では、トンビもサワードゥを狙っているから警戒が必要である。
edit : Sayuri Otobe
パンの研究所『パンラボ』主宰 池田浩明

パンの研究所『パンラボ』主宰。ブレッドギーク(パンオタク)。NPO法人新麦コレクション理事長。パンを通じて地域循環を作るブレッドコミュニケーターとして、「パンの道の駅」やローカルフラワー(地粉)のプロデュースを手がける。