土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/高木正勝 vol.1 | Article | & Premium (アンド プレミアム)

Music

February 01, 2019 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/高木正勝 vol.1

February.01 – February.07, 2019

Saturday Morning

Title.
Morning In Djenne / Les Chavaux De Sunjata
Artist.
Various Artists
あらためて、曜日を気にしない生き方をしてきたなあと振り返りながら、それでも、土曜日の朝といえば、晴れ晴れして、何か新しいことでも考えたい気分。一曲を選んでみましたが如何でしょうか。マリ共和国、何処か小さな村で録音したのでしょうか。コトコトと野菜を煮込んでいくように、素朴な木琴やハープから飛び出してくる音の粒々が健やかな朝を形作っていくよう。彼女たちの毎日の暮らしをそのまま記録したような、井戸端会議のような音楽に、心も躰も軽やかになっていきます。
アルバム『Bush Taxi Mali: Field Recordings From Mali』収録。

Sunday Night

MI0001076555
Title.
Immortal Bach, Komm Süsser Tod, BWV 478
Artist.
Accentus
実は、家でゆっくり音楽を聴く習慣がなく、リビングルームの土間でかけたとしても、もっぱら自分の曲ばかり流してしまいます。他の方の音楽を聴くのは、だいたいは移動中で、持っている曲をシャッフルしてかけるようにしています。この曲は、夜中、街から帰ってくる山深い峠で流れてきました。霧のように現れては移ろってゆくコーラスの重なりがなんとも奇しく美しく、掴めない響きに包まれて、そのまま真っ暗な山々に溶けてしまうようでした。新しくはじまる朝に向けて、いったん何者でもなくなるのも、よいものです。
アルバム『Transcriptions』収録。

『&Premium』特別編集
『&Music/土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ 』 好評発売中。

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ
音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 小西康陽、青葉市子、七尾旅人、長田佳子、テイ・トウワ、中嶋朋子……、 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付きです。 詳しくはこちら

音楽家/映像作家 高木 正勝

1979年生まれ、京都府出身。長く親しんでいるピアノを用いた音楽、世界を旅しながら撮影した「動く絵画」のような映像、両方を手掛ける作家。2001年にアルバム『pia』をアメリカのCarpark Records、「eating」をドイツのKaraoke Kalkより発表。以降、国内外でのコンサートや展覧会、細田守監督作『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』をはじめとした映画音楽、CM音楽、執筆など幅広く活動している。最新作は、自然を招き入れたピアノ曲集『マージナリア』、6年間のエッセイをまとめた書籍『こといづ』(木楽舎)。

takagimasakatsu.com

Latest Issue器を知る、学ぶ、楽しむ。2021.10.20 — 880円