MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 多屋澄礼November 25, 2016
November.25 – December.01, 2016
Saturday Morning

1980年代に活躍したネオアコバンドの中でも飛び抜けて洒落たセンスを持つThe Man Upstairs。レコードがなかなか手に入らないため、マニア向けとされていたものが遂に編集盤としてリリースされたのがとても嬉しい。彼らのチャームポイントはジャズを下敷きにしたとにかくハイセンスな音作り。それでも肩肘張らない、いい具合に力が抜けていて、日々の緊張を解きほぐしてくれます。
アルバム『Home From The Picnic』に収録。
アルバム『Home From The Picnic』に収録。
Sunday Night

12月の来日公演が何よりも待ち遠しいブルックリン出身の4ピースバンド。YMOやジューシーフルーツなど日本のバンド、そしてイギリスのPrefab Sproutから派生したトーマス・ドルビー的サウンドを掛け合わせたような独特なシティーポップ感には中毒性があります。懐古主義は自分の信念に反するけれど、改めて1980年代の音楽には浪漫が溢れていると実感する曲。80年代の音楽をリアルタイムで味わえなかった私はただひたすら憧れを募らせてしまうのです。
アルバム『Designs In Rhythm』に収録。
アルバム『Designs In Rhythm』に収録。
音楽ライター/翻訳家 多屋 澄礼

2009年にDJグループTwee Grrrls Clubを結成し、同年にレーベル&ショップ、「Violet And Claire」オープン。Tavi Gevinson編集の『Rookie Year BookOne』、アレクサ・チャン『IT』の翻訳監修、著書に女性ミュージシャンのライフストーリーを綴った『フィメール・コンプレックス』がある。伊勢丹新宿店 Isetan Girls フロア選曲、diskunionのニュープロジェクト、「Girlside」のショップディレクションなど、音楽とファッションを繋げる仕事を手掛けている。