MUSIC 心地よい音楽を。
ミュージシャン岡田拓郎さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.4April 25, 2025
April.25 – May.01, 2025
Saturday Morning

たまたま観ていたNetflixドラマのエンディングでふと流れてきた一曲。久しぶりに偶然耳にした楽曲のメロディーが頭から離れないなんて体験をしました。雲一つない空のように真っ直ぐで明瞭なメッセージ。シャイな私はいつもならちょっと恥ずかしく感じてしまうところだが、この曲の通り風のように一際さり気ないサウンドデザイン、そして迷いのないシャーデー・アデュの凛とした歌声に思わず心奪われてしまいました。
アルバム『Stronger Than Pride』収録。
アルバム『Stronger Than Pride』収録。
Sunday Night

フリーインプロヴィゼーションの黎明期から活躍する、言わずと知れたギターの名手で、彼の演奏は基本的には細分化された抽象的な演奏のイメージが強いですが、時折ふとなんとも美しくメロディックな場面に出くわす事もあります。ちょうどそれまでのジャズ的な演奏から離れ、スタイルを模索している最中である1966-67年の間の演奏がコンパイルされた1枚からのセレクト。CDタイムの0:41〜の流麗なアルペジオフレーズは何度聴いても惚れ惚れしてしまいます。こんなに美しい旋律なら何度でも繰り返して聴きたいという聴き手の思いとは裏腹にそれはあっという間に過ぎ去り、中空へ消えていく。
アルバム『Pieces For Guitar 1966 – 67』収録。
アルバム『Pieces For Guitar 1966 – 67』収録。
ミュージシャン 岡田拓郎

1991年生まれ。東京都福生市育ち。音楽家。2012年にバンド「森は生きている」を結成。『グッド・ナイト』をリリース。2015年のバンド解散後は、ソロ・アーティストとしての活動、環境音楽の制作、即興演奏のほか、柴田聡子、優河、安部勇磨など、他のミュージシャンのプロデュースやエンジニア、演奏者として数多くの作品やライブにも参加している。ギター、ペダルスティール、シンセなどの楽器を演奏する。2022年に即興演奏の編集で構築された『Betsu No Jikan』、2025年にはLAのレーベルTemporal Driftより『The Near End, The Dark Night, The County Line』をリリース。