BEAUTY 明日のキレイのために。
一度は手に取りたい、〈ビュリー〉を象徴するハンド&フットクリームとボディオイル。February 25, 2025

香り高く、さらりと馴染むボディオイルと、肌荒れや乾燥から守るハンド&フットクリーム。左から、ユイル・アンティーク(リケン・デコス) 190㎖ ¥7,260、ポマード・コンクレット 75g ¥5,830(オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー 0120−09−1803)
19世紀の美容を現代に昇華させた唯一無二の存在。
フランスの伝統を受け継ぐ総合美容専門店、〈オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー〉。その物語は1803年、調香師であるジャン=ヴァンサン・ビュリーが自身の名を冠した店をパリに開くところから始まった。酢を原料として開発された”香り酢”は、効能、ボトルの美しさなどで注目を浴びることに。そして、ヨーロッパ全土で旋風を巻き起こし、化粧品業界に革命をもたらした。
そんな総合薬局の美しい世界観に価値を見いだし、〈ビュリー〉として現代に新たに蘇らせたのが、ブランドディレクターのヴィクトワール、アーティスティックディレクターのラムダン夫妻。2014年のパリ・ボナパルト店を皮切りに、日本の代官山店などを次々とオープン。店の内装をはじめ、カタログ、製品パッケージに至るまで、当時の総合薬局のスタイルを踏襲することにこだわった。ボトルは、19世紀のクラシカルな形を継承するため、メタルキャップやガラスに塗装したものに。中身も化学処理を避け、当時の処方をできるだけ守り、世界各地から自然由来の原料を厳選している。たとえば、オイルは植物の種子や果実からコールドプレス法で抽出するなど、製法の手間を惜しまない。植物の力を最大限に引き出し、シンプルに処方するという姿勢が香水、ボディ&スキンケアなどすべての製品に共通しているのだ。
〈ビュリー〉を象徴するアイテムとして愛されているのが、1834年にラインナップに加えられたボディオイル「ユイル・アンティーク」。セサミ、アプリコット、ココナッツなどの天然の植物由来のオイルをブレンドし、肌に潤いとハリを与え、艶をもたらしてくれる。香りのバリエーションは豊富だが、なかでもリケン・デコスは、苔やパチュリ、ガルバナムの余韻が漂い、ウッディで心を落ち着かせてくれるとファンも多い。
手が描かれたアイコニックなパッケージが美しいハンド&フットクリーム「ポマード・コンクレット」もまた、ロングセラー。シアバターにミツロウ、セサミオイルを加えた、シンプルな処方。抜群の保湿力はもちろん、程よい硬さのテクスチャー、そして無香料というのも人気の理由だ。
自然由来の素材をベースに、19世紀の伝統を守り続け、現代に昇華させた〈ビュリー〉。その唯一無二の世界にぜひ触れてみてほしい。
くぼ・なおこ/ウェルネス&ビューティジャーナリスト。植物療法(フィトテラピー)をツールに、ココロカラダハダケアについて独自発信。
photo : Shinsaku Kato
※この記事は、No. 136 2025年4月号「&Beauty」に掲載されたものです。