MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 仲真史March 03, 2017
March.02 – March.09, 2017
Saturday Morning

ワイルド・ナッシングや世界的ブレイクとなったマック・デマルコなどを輩出したアメリカのインディ界の老舗レーベル、キャプチャード・トラックスがベストなタイミングで発見したL.A.のシンガーソングライターMolly Burchの1stアルバム『Please Be Mine』からの一曲です。60’sなノスタルジックだけに頼らないアップデートされたインディ感と絶妙なソフィスティケイテッド感が雰囲気だけにならないパーフェクト・フィメール・ポップ。映画『(500)日のサマー』の続編があればぜひ使用してもらいたいです。
アルバム『Please Be Mine』収録。
アルバム『Please Be Mine』収録。
Sunday Night

ここ最近はファッションも音楽もカルチャーはロシア方面が熱いですが、彼らはエストニアの4人組で、これは待望の2017年2ndシングルの曲です。彼らの1st EPは僕の2015年ベストEPですが、そのバンド名はもちろんレオス・カラックスの映画タイトルから拝借したと思うのですが、それ以上にジム・ジャームッシュの近作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』いやそれ以上に『ツイン・ピークス』然としたミステリアスな世界観でヤング・マーブル・ジャイアンツがゴスになったようなダーク・ポスト・パンク・サウンドを奏でたようなバラッドが逆にこれこそオリジナルティと唸り惚れます。なによりまだ10代のフロント・ガールの冷たい眼が本当に素晴らしいです。
シングル『Sleeprydr』収録。
シングル『Sleeprydr』収録。
〈BIG LOVE〉主宰 仲 真史

原宿のレコード・ショップ兼レーベル、BIG LOVEの代表。1990年代初頭から常に欧米のインディペンデント&アンダーグラウンドのロックやエレクトロニックを中心とした新しい音楽を紹介し続けている。レーベルではブレイク前のThe xx、アリエル・ピンクやアイスエイジをリリースし、またショップ・ロゴを手掛けるのはカニエ・ウェストの例のマーチャンダイズを手掛けたL.A.のカリ・ソーンヒル・デウィットであり、彼の日本の初個展を行なったのもBIG LOVEである。