MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 畠山美由紀February 12, 2016
Feb. 12 – Feb. 18, 2016
Saturday Morning

1974年発表のデビュー・アルバムに収録されシングル・カットされた大ヒットナンバー。初めてチャート・インしたのは1975年の冬、1月だったそうです。(やった!やっぱり冬だったんだ!なぜかそんな気がずっとしてました、本当に!(笑))そして春先までどんどんチャートは上がり、最終的にはトップ5入りに。ブルース、ジャズ、そして私は曲全体のグルーヴにブラジル音楽のエッセンスも感じるのですが、フォークソング的なとも言えるし、何より歌唱法が独特だなぁと思いました。氷上を自由自在にジャンプしてスピンするようなイメージ。いとも簡単に、いとも滑らかに、まるでこの世に重力なんか存在しないみたいに彼女は歌います。そしてやっぱり曲。曲が素晴らしいです。まさにポエトリーマンとしか言えない曲だな、と改めて聞き返して感動いたしました。アレンジも見事に美し。
アルバム『Phoebe Snow』収録。
アルバム『Phoebe Snow』収録。
Sunday Night

私のアルバム・プロデュースをしてもらったり、ライブで共演したり、もちろん友人でもありますが、ご一緒する度にいつもその才能の素晴らしさをしみじみと感じさせてくれるジェシー・ハリスがカヴァーしていたことで知った曲。彼は、ベニー・グットマンのオーケストラで歌うこのペギー・リーの歌をずっと神秘的ともいえるほどの感慨を持って聴いていたそうです。あのジェシーがそんな風にいうなんて! と思い聴いてみたのが最初です。確かに不思議なムードの曲。発声、発音の隅々まで完コピしたくなる非常に魅力的な歌声。今がいつなのかを見失ってしまうようなうっとりする世界をどうぞ暖かい部屋で聴いてみて下さい。
アルバム『Peggy Lee With The Benny Goodman Orchestra』収録。
アルバム『Peggy Lee With The Benny Goodman Orchestra』収録。
シンガー・ソング・ライター 畠山 美由紀

〈Port of Notes〉〈Double Famous〉のヴォーカリストとして活躍する中、2001年ソロデビュー。近年の活動は2011年、故郷・気仙沼を想い、アルバム『わが美しき故郷よ』を発表し話題に。2012年10月1日(コーヒーの日)、ギタリスト小池龍平とのアルバム『Coffee & Music~Drip for Smile~』を発表。2013年、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽担当、近年のジェーン・バーキンのワールドツアーに音楽監督/ピアニストで活躍中の中島ノブユキをプロデューサーに迎え、“雨の日のためのアルバム”をコンセプトに、アルバム『rain falls』を発表。2014年に往年の演歌・歌謡曲の名曲集アルバム『歌で逢いましょう』を発表。生きる歓びと悲しみ、目に見えない豊かな世界、人生をより愛おしく生きるための確かな手触りを感じられる、聴く人の心に寄り添う歌を歌い続ける。現在は、FMヨコハマ「Travelin’ Light」(生放送/土11~13時)のDJとしても活動中。