MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/みどり vol.3March 17, 2023
March.17 – March.23, 2023
Saturday Morning

ここ数年多くの制作やライブを共にしているbaobab/カテリーナ古楽器研究所のボーカリスト、maikaによるソロプロジェクトMeadowの1st albumより。”草地”を意味する名前の通り、草木や小さな生き物たちの歌声が聴こえてくるよう。ソロでは彼女自身の内面や視点が大きく反映されていて、自然物を顕微鏡で覗いたような幾何学的抽象でありながら有機的な世界が広がっています。
演奏やエンジニアとしても関わらせてもらったアルバムですが、ちょうど1年前の今頃に制作の佳境を迎えていたこともあり、この時季特有の柔らかな光や風と共にとても印象に残っている作品です。
彼女が育って、暮らしている大分県の山香という町は森や田畑、川に囲まれた美しい風景が広がるところで、きっとその自然とのあたりまえの距離感が表現へも大きく影響を与えているのだと思います。(田辺玄)
アルバム『オーソルフー』収録。
演奏やエンジニアとしても関わらせてもらったアルバムですが、ちょうど1年前の今頃に制作の佳境を迎えていたこともあり、この時季特有の柔らかな光や風と共にとても印象に残っている作品です。
彼女が育って、暮らしている大分県の山香という町は森や田畑、川に囲まれた美しい風景が広がるところで、きっとその自然とのあたりまえの距離感が表現へも大きく影響を与えているのだと思います。(田辺玄)
アルバム『オーソルフー』収録。
Sunday Night

いよいよ日本も世界の流れに乗って次の動きへと移ろうとしています。春の訪れとも相まって新たな日常の始まりを感じる今日この頃。
2020年、多くの人が当たり前だと思っていた日々の生活を変えざるを得なくなり、旅はもちろんのこと近くの友人に会うことさえもできなくなった年でした。同年、Big Thiefのボーカリスト、エイドリアン・レンカーもワールドツアーが中止となり、マサチューセッツの山小屋に身を置き生活を送ることとなりますが、あらゆる人や情報から切り離された森での暮らしの中でこのアルバムを創り上げていったそう。
内向的でありながらも、気持ちを楽にさせてくれる不思議な風通しの良さもある今作。アルバム前半の曲たちはギターのミニマルなテンポ感が心地よくウォーキング時のお気に入りなのですが、今回は最後に収録されているこの曲を。
冒頭の即興的(おそらく)に弾いているギターからは、夜っぽいアンニュイさが漂い、アナログ機材を使っていることで乗ったと思われるサーというヒスノイズが、さらに静けさを演出しているようにも感じます。終わりは突然に、歌のリフレインの途中でバツっとテープのストップボタンが押され終わっていくのですが、眠りに落ちた時のような気持ちにさせられます。(田辺玄)
アルバム『Songs』収録。
2020年、多くの人が当たり前だと思っていた日々の生活を変えざるを得なくなり、旅はもちろんのこと近くの友人に会うことさえもできなくなった年でした。同年、Big Thiefのボーカリスト、エイドリアン・レンカーもワールドツアーが中止となり、マサチューセッツの山小屋に身を置き生活を送ることとなりますが、あらゆる人や情報から切り離された森での暮らしの中でこのアルバムを創り上げていったそう。
内向的でありながらも、気持ちを楽にさせてくれる不思議な風通しの良さもある今作。アルバム前半の曲たちはギターのミニマルなテンポ感が心地よくウォーキング時のお気に入りなのですが、今回は最後に収録されているこの曲を。
冒頭の即興的(おそらく)に弾いているギターからは、夜っぽいアンニュイさが漂い、アナログ機材を使っていることで乗ったと思われるサーというヒスノイズが、さらに静けさを演出しているようにも感じます。終わりは突然に、歌のリフレインの途中でバツっとテープのストップボタンが押され終わっていくのですが、眠りに落ちた時のような気持ちにさせられます。(田辺玄)
アルバム『Songs』収録。
ミュージシャン みどり

森ゆに、青木隼人、田辺玄のトリオ。2017年に緩やかに活動をスタート。ふだんはピアノ弾き語りで歌う森ゆには、みどりではピアノを弾かずに歌う。青木隼人と田辺玄は、ギターで歌を支え、ときどき前に出て合奏をする。演奏の活動期間は啓蟄から立冬まで。2019年3月ファーストアルバム『みどり』発表、2022年4月セカンドアルバム『みどり2』発表。