MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/冥丁 vol.2June 11, 2021
June.11 – June.17, 2021
Saturday Morning

雨景色と親和性のある曲を思った時に「Helical」が浮かびました。
土曜日の朝に良さそうですね。
青銅色のステンドグラスのような音色に、指で雨音をなぞるようなギターピッキングの塩梅に色気を感じます。
バッキングの反響に、どこか水琴窟のような趣も感じましたね。
ふと気が付くと、10年以上もこの曲を聴いているようです。時代は変わり、当然ながら私自身も変わりました。
記憶の中にいる自分の姿も、最近は遠くに霞んで見えるようになりましたね。
平穏が渦を巻くように、日常の深くに徐々に潜って行くような感覚です。
空は晴れ渡り、雲を失った雨達が、まだここでは降り続いています。
初夏の緑陰が美しい朝に聴いてみたい曲です。
アルバム『The Will To Death 』収録。
土曜日の朝に良さそうですね。
青銅色のステンドグラスのような音色に、指で雨音をなぞるようなギターピッキングの塩梅に色気を感じます。
バッキングの反響に、どこか水琴窟のような趣も感じましたね。
ふと気が付くと、10年以上もこの曲を聴いているようです。時代は変わり、当然ながら私自身も変わりました。
記憶の中にいる自分の姿も、最近は遠くに霞んで見えるようになりましたね。
平穏が渦を巻くように、日常の深くに徐々に潜って行くような感覚です。
空は晴れ渡り、雲を失った雨達が、まだここでは降り続いています。
初夏の緑陰が美しい朝に聴いてみたい曲です。
アルバム『The Will To Death 』収録。
Sunday Night

帰宅後、静まり返った部屋で、この曲を聴いてみたくなりました。
夜のしじまに浮かぶような心地よさがありますよ。朧げなエコーのシルエットと、繊細な息遣いに色気を感じますね。
六月のしだれた日曜日の夜に良さそうです。
アルバムタイトルの『In Praise Of Shadows』は谷崎潤一郎さんの陰翳礼讃からでしょうか。興味深いですよね。
物語の真意が判らずとも、ふっと香ってくるような気配が好きなんですよね。
感覚から溢れてくる涙のような真実を遠慮深く愛してみたいです。
「Silk Print」はそんな音楽だと思いますよ。
そっと夜の帳が下りてくるような味わい深い一曲ですね。
アルバム『In Praise Of Shadows』収録。
夜のしじまに浮かぶような心地よさがありますよ。朧げなエコーのシルエットと、繊細な息遣いに色気を感じますね。
六月のしだれた日曜日の夜に良さそうです。
アルバムタイトルの『In Praise Of Shadows』は谷崎潤一郎さんの陰翳礼讃からでしょうか。興味深いですよね。
物語の真意が判らずとも、ふっと香ってくるような気配が好きなんですよね。
感覚から溢れてくる涙のような真実を遠慮深く愛してみたいです。
「Silk Print」はそんな音楽だと思いますよ。
そっと夜の帳が下りてくるような味わい深い一曲ですね。
アルバム『In Praise Of Shadows』収録。
電子音楽家 / 音楽プロデューサー 冥丁 / MEITEI

日本の文化から徐々に失われつつある、過去の時代の雰囲気を「失日本」と呼び、現代的なサウンドテクニックで日本古来の印象を融合させた私的でコンセプチャルな音楽を生み出す広島在住の作曲家。エレクトロニック、アンビエント、ヒップホップ、エクスペリメンタルを融合させた音楽で、過去と現在の狭間にある音楽芸術を創作している。これまでに『怪談』(Evening Chants)『小町』(Métron Records)『古風』(Part Ⅰ,Ⅱ&Ⅲ)(KITCHEN.LABEL)など、独自の音楽テーマとエネルギーを持った画期的な三部作シリーズを海外の様々なレーベルから発表し、冥丁は世界的にも急速に近年のアンビエント・ミュージックの特異点となった。日本の文化と豊かな歴史の持つ多様性を音楽表現とした発信により、The Wire、Pitchforkから高い評価を受け、MUTEK Barcelona 2020、コロナ禍を経てSWEET LOVE SHOWER SPRING 2022、朝霧JAM 2023などの音楽フェスティバルに出演し、ヨーロッパ、シンガポール、台湾などを含む海外ツアーも成功させる。ソロ活動の傍ら、Cartierや資生堂IPSA、MERRELL、Nike Jordan、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEなど世界的なブランドからの依頼を受け、イベントやキャンペーンのためのオリジナル楽曲の制作も担当している。