MUSIC 心地よい音楽を。

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/Julia Shortreed vol.1September 02, 2022

September.02 – September.08, 2022

Saturday Morning

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Title.
Sansevieria
Artist.
Green-House
金曜日の夜はいつも深い時間まで、映画を観たり、朝方まで飲んだりして、土曜日の朝はお昼過ぎまで寝ていた人だったけど、子どもを産んでからはどれだけ夜更かしをしても朝7時前には1日が始まる。週末は保育園が休みなので体力が必要だ。元気な息子と、まだ目覚めきれていない私の間をGreen-House の音楽が優しく調和してくれる。ロサンゼルスを拠点とするOlive Ardizoniのソロプロジェクト。彼女自身ノンバイナリーを公言していて、「植物の生命とそれらを育てる人々のコミュニケーション」をコンセプトに作った1st EP『Six Songs For Invisible Gardens』。目を閉じると川が流れだして、虫や鳥たちが飛び回っている景色が浮かぶ。東京の部屋にいることを忘れさせてくれる土曜日の朝。
EP『Six Songs For Invisible Gardens』収録。

Sunday Night

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Title.
Svefn-G-Englar
Artist.
Sigur Rós
本当は第1回目の日曜日の夜の音楽に決めていたアーティストがいたのだけど、原稿を書いている途中にSigur Rósの来日公演があって、たっぷり浴びたら聴きたくなってしまうよねということで、急遽変更することにした。アイスランドの音楽家たちにハマるきっかけをくれたSigur Rós。その後アイスランド音楽から国にも興味を持ち、2016年に2カ月制作を兼ねて旅に出ることにもなる。
初めて一人旅をしたのは2015年9月に4日間だったのだけど、「Hurra」というBarでヨンシーを見かけたり、JFDRのライブを観れたり夢のような時間だった。
今回の来日公演は180分の凄まじいライブで、ライブを観たというより雪崩にあって生き残った感覚。アイスランドの美しい自然を思い出しながら、ライブを振り返る日曜日の夜。
アルバム『Ágætis Byrjun』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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シンガー・ソングライター Julia Shortreed

日本とカナダをルーツに持ち、東京を拠点に活動するシンガー・ソングライター。アシッドフォーク、アンビエント、エレクトロを融合させ、ノスタルジックな旋律と声で紡ぎ出す独自の世界。2018年に小林うてな、ermhoiと結成されたユニットBlack Boboiとして、2019年1月にミニアルバム 『Agate』を発表し同年8月にFUJI ROCK ’19のレッドマーキーに出演。2020年に1st アルバム『SILK』を〈BINDIVIDUAL〉よりリリース。ソロでは2018年に同レーベルよりシングル「Calling you」をリリース、2021年1月に1st アルバム 『Violet Sun』を発表。モデルとしてファッション誌、アパレルブランドのカタログ、広告など豊かな表現力を活かし幅広く活躍中。

juliashortreed.com

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