MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 Kaoru InoueJune 29, 2018
June.29 – July.05, 2018
Saturday Morning

自分が知っているだけでも、西アフリカはマリ共和国やキューバのギタリストなど、世界各地の音楽家と共演・レコーディングしてきた巨匠ライ・クーダーが、インドの独特のスライド・ギター=モハン・ヴィーナ奏者と共演した93年のアルバムから。タイトル通り雄大な河の辺りで邂逅を果たしているような、スケールの大きいグルーヴが最高な一曲。インドの打楽器=タブラが流れを支え、アコースティックな弦楽器がその上を会話するように滑って行く。
アルバム『A Meeting By The River』収録。
アルバム『A Meeting By The River』収録。
Sunday Night

デンマークのヴェテラン・ミュージシャンというギタリストとマルチ打楽器奏者が、同国のクラブ系音楽レーベルより昨年リリースした珠玉のアルバムより。地中海はイビザ島の海辺のカフェで1980年代末のレイヴ狂騒期にDJプレイされていたチルアウトな楽曲群に由来する「バレアリック」という言葉が本当の意味でこれほどハマるのは現行の音楽ではなかなかないのでは。こちらもアコースティック・ギターにタブラ、そして女性のスキャット。デンマーク人の名前で読みが分かりませんが同名タイトルのアルバム『Nordsø & Theill』収録。
DJ、プロデューサー Kaoru Inoue

DJ、プロデューサー。高校時代から20代前半までパンク~ロック・バンドでのギタリスト経験を経て、89年Acid Jazzの洗礼とともにDJカルチャーに没入。Chari Chari~Kaoru Inoue名義での音楽制作~リミックスで数々の功績を残し、またクラブ・野外フェス問わず様々な現場でのDJ活動を通してオルタナティブなダンス・ミュージックの可能性を追求してきた。2014年、12年ぶりにChari Chari名義を復活させ、ライブ・バンドとして再生。インドア・フェス=RA@ageHaにて復活デビューを果たし大きなレスポンスを得た。2016年、Chari Chari名義14年ぶりのアナログリリース「Fading Away / Luna de Lobos」が水面下で好評を博し今後の活動が期待される。2018年、リスニング指向を高めたアナログLP=Kaoru Inoue『EmPaz』がポルトガルのレーベル「Groovement」よりリリースに。レーベル「SEEDS AND GROUND」を主宰。