BOOK 本と言葉。

40代のときに、私の生き方を変えた本。『よあけ』/長崎・諏訪町『ひとやすみ書店』 が届けるベターライフブックス。November 27, 2025

This Week Theme40代のときに、私の生き方を変えた本。

Book of the Week『よあけ』ユリー・シュルヴィッツ 作・画 瀬田 貞二 訳(福音館書店)

40代のときに、私の生き方を変えた本。『よあけ』/長崎・諏訪町『ひとやすみ書店』 が届けるベターライフブックス。

40歳になったばかりである。40代、どんな本を手にとるだろう。「私の生き方を変えた本」というテーマをいただき、ここまで、各年代で読んだ印象深い本について書いてきたが、この数冊に限らず、これまで読んできた全ての本が、僕の生き方に大なり小なりなんらかの影響を与えたといえる。よくもわるくも。

ここ数年は、絵本に対する親しみがより深くなった。子どもの誕生が大きい。絵本は子どもから読める本。大人だって読むから、これまでも読んできた。しかし、娘と読み、保育園で子どもたちと読み、その世界は広がった。それまで自転車だったのが、免許を取得し、原付バイクではじめて遠出した日のことを思い出す。「どこまでも行ける」と世界の広がりにわくわくしたものだ。

絵本の表紙を見て「なつかしい」と呟く人がいる。その時になつかしんでいるのは、隣に寝転がって読んでくれた母の温もりでもあり、あぐらをかいた足の上に座らせ読んでくれた父の温もりでもあると、誰かが書いていた。絵本以外の本ではなかなか無いことだろう。幸い、読んで読んでとせがんでくる娘たちである。彼女たちのリクエストに応えるだけでなく、僕は僕の好きな絵本も読むようにしている。「子どもにわかるかな」などと臆することなく、侮ることなく、『よあけ』のような大好きな絵本を。


BOOKSHOP ひとやすみ書店

ひとやすみ書店
店主の城下康明さんが幼い頃によく遊んでいた長崎県長崎市諏訪町でスタートした本屋。観光地として有名な眼鏡橋のすぐそばにあり、レトロな雰囲気が漂う川沿いの道に建つ。店の看板の黒板には毎日心に留まった本の一節を抜粋して板書し、メッセージを投げかけている。 住所:長崎県長崎市諏訪町5-3-301 営業時間:13:00〜18:00(土曜のみ16:00まで) 定休の詳細はInstagram(@hitoyasumi_bookstore)より確認を。

instagram.com/hitoyasumi_bookstore

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