BOOK 本と言葉。
『TSUTSUI’S STANDARD 筒井さんの子ども服』 (homspun) 選・文/READAN DEATBook 135 / October 12, 2018
This Month Themeつくりのいいものに出合える本。
つくりのいいものを考えるために、あえてつくりの悪いものについて考えてみる。服の場合、すぐに思いつくのはファストファッション。だけど、価格の割に十分な品質のように思える。では有名ブランドのダメージ加工されたアイテムは? これはもちろん、こだわりが詰まったつくりのいいものだ。つくりがいいかの判断基準は、価格をものさしに、その商品にタグ付けされた情報にかかっている。時には目の前のもの以上に付加情報が重視される。この本は、一人の主婦が独学で我が子のために作った子ども服12年分の記録。成人後も大事に保管されてきたその服はタイムレスな輝きを放つ。もしも一つだけタグ付けするなら「#母の愛」。写真を通しても伝わってくる、とびっきりつくりのいい服だ。
READAN DEAT READAN DEAT
広島市中区のレトロビルの2階、リトルプレスや写真集、暮らしやデザインにまつわる本と、作家のうつわや民藝の品を扱う店。店内のギャラリースペースで行う企画展のほか、トークイベントやワークショップも行う。
広島県広島市中区本川町2-6-10 和田ビル203