BOOKS ITOMAI 本屋イトマイ
選・文 / 本屋イトマイ / January 14, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『珈琲の表現』蕪木祐介 (雷鳥社)
This Month Themeコーヒーライフが楽しくなる本。

「コーヒーは奥深い」。蕪木さんのコーヒーを初めて飲んだときにそう思いました。言葉や理屈ではわかっているつもりでも、実際には体験でしかわからないことがあります。蕪木さんのコーヒーを飲むということは“コーヒーの奥深さ”を体験できる数少ないことのひとつに感じました。豆の種類や淹れ方を変えるだけで、気分が晴れやかなときも、落ち込んでいるときも寄り添ってくれる飲み物。豆の生産から一滴のしずくになるまでの過程に想いを馳せたくなります。また、コーヒーの色そのものまで表現のひとつとしているようなお店の佇まいも必見。深夜に飲む深煎りコーヒーのように心の奥に沈み込むような一冊です。
選・文 / 本屋イトマイ / January 07, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由』猪田彰郎 著(アノニマ・スタジオ)
This Month Themeコーヒーライフが楽しくなる本。

「おいしくなーれ」。その呪文がコーヒーを美味しくする一番の要素。著書を読み終えて得られるコーヒーを淹れるテクニックは、そんな言葉を呟くことのように思えます。その言葉の背景には、コーヒーと会話をすることの大切さや常にお客様のことを考えて良いお店にしようと心がける気持ちが感じられます。人とコーヒーを愛し続けた店主の教えがたくさんあり、それはまるで仕事終わりに飲んで沁みる中深煎りコーヒーのよう。
選・文 / 本屋イトマイ / December 31, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。『15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ』岩野響 著(KADOKAWA)
This Month Themeコーヒーライフが楽しくなる本。

この本でコーヒーの話が出てくるのがなんと100ページから。著者の岩野響さんは発達障害に長く苦しむ日常を過ごす中で、コーヒーとの出合いがありました。そこから彼の人生が新たに動き出します。日々の生活の中でコーヒーに癒される人は多いと思いますが、コーヒーの存在によって、“人生のスイッチ”を押されることは、また格別なものがあります。コーヒーのことだけでなく、家族や教育や障害のことに多くのページを割いているため、改めて生活全体を考えるきっかけを作ってくれる意外性のあるコーヒーの本です。そんな岩野さんの日常にはたくさんの物語がつまっていて、まるで晴れ渡ったお昼過ぎに飲む、豆の個性が際立つ中煎りコーヒーのようです。
選・文 / 本屋イトマイ / December 26, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。『コーヒーの絵本』作 庄野雄治 絵 平澤まりこ(mille books)
This Month Themeコーヒーライフが楽しくなる本。

著者の庄野雄治さんのコーヒー愛を平澤まりこさんのイラストがやさしく包み込む、素敵なコーヒーの絵本です。初心者にも“コーヒー信者”にも効く、コーヒーが持つ力に改めて気付かされます。毎日飲むコーヒーを自分の一番好きなコーヒーにするためには、やはり規則より自由さ。規則に反しても自分にしかできないおいしいコーヒーが淹れられればよいと思う、自由なコーヒーライフを導いてくれます。それはまるで、朝に飲む爽やかな飲み口の浅煎りコーヒーのよう。
BOOKS ITOMAI 本屋イトマイ

プライベートでもオフィシャルでもない「暇(いとま)」を提供したい、と「書店」と「喫茶」を楽しめる店を2019年3月にオープン。店名の由来は「お暇します」から取ったもの。
住所:東京都板橋区常盤台1-2-5 2F
営業時間:12:00~20:00
定休日:不定休