BOOK 本と言葉。
『季節のかたみ』 幸田文(講談社文庫)Book 67 / May 12, 2017
This Month Theme一日の始まりに読みたい本。
季節の移り変わりの小片を綴った、幸田文の随筆集。日々の変化を楽しみ、目の前のものの美しさおもしろさを見出す視点を、父・露伴は幼い頃から教えてくれたという。しかし彼女の言葉の美しさは、父の指導によるものだけではない。彼女の言葉には、暮らしに腰を据え、そこから眺めた世界が広がっている。とどまることのない季節の巡りは現実の上に立つ身の救いになる。その喜びを清々しい言葉で私たちに示し、新しい一日へと送り出してくれる。
Nagasaki Jiro Bookstore 長崎次郎書店
明治7年に創業した長崎次郎書店は、長崎書店(熊本市中央区上通)の兄弟店。保岡勝也が設計した登録有形文化財である建築で、森鷗外をはじめとする文豪ゆかりの書店として親しまれている。長い歴史と貴重な建物を持つ書店は、創業140年目の節目に再開店。地域の人に愛され、人が集まる場所となっている。
熊本県熊本市中央区新町4丁目1−19