Music

今月の選曲家 畠山美由紀February 05, 2016

Feb. 05 – Feb. 11, 2016

Saturday Morning

0205_土曜の朝 &Premium
Title.
Place to Be
Artist.
Nick Drake
若くして亡くなった魂、ニック・ドレイクの曲達を私は愛している――。と、私は彼の曲を聴く度にそう思うのだ。ニック・ドレイクの曲に「Saturday Sun」というこのページのテーマにぴったりな題名の作品もあり、そちらも大好きなのだけれど、2月の土曜日の朝にはこの、澄み切った絶望と自分の居場所をおくれと静かに願う歌を選んでみました。トラッドソングの美しい形式を守り、歌詞は全行で韻が踏まれているのも印象的。10代だった頃の自分の姿が勝手に浮かんで来たりして……。北国の冬の朝は極寒だったけれど、果てしなく美しかったなぁ、なんてしみじみ思うのです。ぜひ聴いて頂きたい珠玉の名曲です。
アルバム『PINK MOON』収録。

Sunday Night

0205_日曜の夜 &Premium
Title.
Watching the Snow
Artist.
Michael Franks
この曲はマイケル・フランクスがまさに冬をテーマに制作したアルバムのタイトル曲でもあります。もともと彼の大ファンでしたが、この作品は、いわゆるジャケ買いして聴き始めた作品です。エレガントかつソフト&メロウ、そしてとても暖かい気持ちになる暖炉の火のような音づくり。幸せな冬の夜を彩ってくれる、いわゆるAORの大御所といわれている彼の魅力を存分に味わえる作品だと思います。ちなみに彼は大の親日家らしく、このアルバムの中には「クリスマス・イン・キョウト」という曲もあったりします。ジャケ買い大成功の巻!! と当時、思わずガッツポーズしたのでありました(笑)。
アルバム『Watching the Snow』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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シンガー・ソング・ライター 畠山 美由紀

〈Port of Notes〉〈Double Famous〉のヴォーカリストとして活躍する中、2001年ソロデビュー。近年の活動は2011年、故郷・気仙沼を想い、アルバム『わが美しき故郷よ』を発表し話題に。2012年10月1日(コーヒーの日)、ギタリスト小池龍平とのアルバム『Coffee & Music~Drip for Smile~』を発表。2013年、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽担当、近年のジェーン・バーキンのワールドツアーに音楽監督/ピアニストで活躍中の中島ノブユキをプロデューサーに迎え、“雨の日のためのアルバム”をコンセプトに、アルバム『rain falls』を発表。2014年に往年の演歌・歌謡曲の名曲集アルバム『歌で逢いましょう』を発表。生きる歓びと悲しみ、目に見えない豊かな世界、人生をより愛おしく生きるための確かな手触りを感じられる、聴く人の心に寄り添う歌を歌い続ける。現在は、FMヨコハマ「Travelin’ Light」(生放送/土11~13時)のDJとしても活動中。

hatakeyamamiyuki.com

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