台湾スイーツ食べ比べ

棗の風味がたまらない郷土菓子。【台湾スイーツ食べ比べ】January 25, 2026

医食同源の考えが深く根付く台湾。漢方食材の一つでもある棗は料理にもデザートにもよく用いられる。今回紹介するのは郷土菓子の一つである「南棗核桃糕」。「南棗」とは紅棗を低温ローストしたもので、これに麦芽糖や砂糖を混ぜてペースト状にし、クルミを加える。伝統的なものは薄く長方形にカットされているが、最近はキャンディ形が主流となっている。こげ茶色なので見た目は地味だが、コクのある甘さにファンは少なくない。台湾では老若男女に親しまれ、旧正月の贈答品の定番でもある。ちなみに、南棗は「気血を補い、胃腸を丈夫にし、精神を安定させる」ともいわれている。仕事や家事の合間にホッと一息つきたい際におすすめ。温かいお茶と一緒に味わってみてはいかが?
棗の風味がたまらない郷土菓子。【台湾スイーツ食べ比べ】

伝統を守り続ける老舗メーカーの自信作。

台湾を代表する食品メーカーである〈義美食品〉。その看板商品の一つが「南棗核桃糕」。伝統的な製法にこだわり、ベテラン職人が南棗をじっくりと弱火で煮込み、しっかりとかき混ぜている。袋を開けると、ふわっと棗の香りが漂い、一口味わうとぎゅっと凝縮された甘さに心が躍る。柔らかくて弾力性があり、歯にくっつかないのも魅力。また、香料や防腐剤、人工色素などは使用していない。気がつけば手が止まらなくなっているはずだ。このほか、台南郊外・東山の特産品である燻したリュウガンの果肉を加えた「桂圓南棗核桃糕」もあり、こちらのほうが甘さはやや強め。パッケージは名画が描かれた缶入りのものから簡易的な袋詰めまであるので、用途に合わせて選びたい。

義美食品
イーメイスーピン

中山一店/台北市中山區中山北路二段97號 ☎02−2560−4977 9:00~22:00 無休 大稲埕の昔の町並みが描かれた缶入り350元など。

義美食品 イーメイスーピン
tai3

スタイリッシュに進化した「南棗核桃糕」。

ここ数年、急速に人気を高めている菓子ブランド〈上信饌玉〉。10年ほど前、台湾で食の安全に関する問題が発生した際に「天然素材だけを使用した体に良いお菓子を提供したい」という思いから創業。マカデミアナッツをデーツに挟んだものや、タルト生地にのせた菓子で知られるが、「南棗核桃糕」も高評価。ここでは南棗以外に少量の小豆を加えているほか、無水バターも使用。これにより他にはないクリーミーで滑らかな食感と深みのある味わいが作り出されている。クルミはカナダ産を使用。香りだけでなく、サクサクとした食感がおいしさを引き立てている。上品で洗練された味わいなので、特別な人へのお土産にもできる。市内には5店舗あり、うち3軒の旗艦店は洒落た内装だ。

上信饌玉
サンシンツワンユィ

中山旗艦店/台北市中山區中山北路二段78號 ☎02−2521−3635 11:00~20:00 無休 260g370元、350g490元、440g620元など。

上信饌玉 サンシンツワンユィ

文・写真/片倉真理
※この記事は、No. 146 2026年2月号「&Taipei」に掲載されたものです。


台北在住ライター・コーディネーター 片倉 真理

片倉真理
1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

instagram.com/marikatakura

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