台湾スイーツ食べ比べ

唐辛子味やビール味など変わり種が続々と、台湾ジェラート。June 16, 2025

台湾で冷たいスイーツといえばかき氷が定番だったが、近年は本格的なジェラートやソルベを楽しめる店が増えている。台湾産のフルーツや台湾茶を用いたフレーバーは定番とされ、最近はより個性的な味も登場している。たとえば、今回紹介する『OttiMo Gelato』では国民的スナック菓子である「乖乖」のココナッツバター味を再現したものや、マスカルポーネに台湾産の濃厚なリュウガンの蜜を加えたものなどがある。もう一軒の『好正商行』は台湾ビールやコウリャン酒、紹興酒などといったフレーバーが大人のソルベとして好評を博している。いずれも台湾の人たちの豊かなアイデアに脱帽させられること間違いなし。どちらの店も内装やパッケージがスタイリッシュなのも人気の秘訣となっている。
taipei

台湾らしさにこだわり、ユニークな味を開発。

 麗水街に2024年10月にオープン。店主であり、ジェラート職人でもあるセシルさんは上海で仕事をしていた際にイタリア人から製法を学び、国際大会で受賞した経験もある。帰国後に台湾食材の素晴らしさに目覚め、通常はあまり使わない素材までをも用い、ジェラートの可能性を探り続けている。写真の手前はパイナップルに剝皮辣椒(青唐辛子の醤油漬け)を加えたもので、甘さが徐々に酸味に変わり、さらに辛さも加わって、味の変化が楽しめる。奥はピリ辛ピーナッツ味で、花椒や八角などのスパイスを使用。ピンク色はマスカルポーネ味のジェラートを柚子味とバラ味のジンベースのカクテルと組み合わせたもの。カクテルはすぐに溶けないように泡状になっているのもポイントだ。

OttiMo Gelato
オッティモ・ジェラート

台北市大安區麗水街1號 ☎02−3322−1699 12:00~20:00(金土日~21:00) 無休 小は150元、大は210元、カクテル入り230元。

OttiMo Gelato オッティモ・ジェラート
taipei3

ビール味など酒フレーバーが充実している店。

 繁華街の路地にある人気店。イタリアで学んだ職人が作り出す、お酒や台湾フルーツを用いたジェラートとソルベが評判。看板メニューは写真手前の左側にある台湾ビール味のソルベ。水やミルクは一切用いず、賞味期限が18日間の生ビールのみを使用。酒をあまり飲まない人でも楽しめるようにアルコール度数は調整し、味や香りはしっかり感じられるように工夫している。黄色はマンゴー味で名産地である台南郊外の玉井産を使用。爽やかな甘さがウリだ。奥の黒いものは台中郊外の東勢産の桃にレモンを加え、竹炭粉で色付けしている。さらに日本の〈Kawaii SHIROI〉のメロン味ミルクリキュールを用いたものもある。なお、フルーツは鮮度にこだわり、直接農家から仕入れている。

好正商行
ハオツェンサンハン

台北市大安區市民大道四段48巷3號之2 ☎なし 14:30~20:30 無休 ジェラートはダブル160元、酒味はダブル180元。種類は不定期で変更。

蔥穎牛軋餅
 ツォンインニョウガーピン

文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 139 2025年7月号「&Taipei」に掲載されたものです。


台北在住ライター・コーディネーター 片倉 真理

片倉真理
1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

instagram.com/marikatakura

Pick Up 注目の記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 139素敵に生きる人の、働き方。2025.05.20 — 960円