とにかく「しまう家」の、アイデアと工夫。House of Ingenuity

Aoyagi’s House_15坪の狭小地をムダなく使う4層構造。とにかく「しまう家」の、 アイデアと工夫。February 16, 2024

夫婦揃って建築士である青柳綾夏(あやか)さんと創(はじめ)さんが暮らす、ふたりが設計した家。とにかくしまうアイデアいっぱいの家、最後は限られたスペースを有効に使った4層構造について紹介します。

2階/サニタリースペースの手前にある、家族の寝室。場所を取るベッドを置かず、布団を使用。専用の収納棚を設けて、縦にしてしまっている。
2階/サニタリースペースの手前にある、家族の寝室。場所を取るベッドを置かず、布団を使用。専用の収納棚を設けて、縦にしてしまっている。
1階/キッチンとリビングダイニングのある階。後者は空中にせり出す形でテラスへと続くので、実際よりも広く感じられる。壁と天井は白の珪藻土に。
1階/キッチンとリビングダイニングのある階。後者は空中にせり出す形でテラスへと続くので、実際よりも広く感じられる。壁と天井は白の珪藻土に。
地下2階/ワークスペースには「必要なものに手を伸ばしやすい扉なし書棚を造作」。他とは違い、目に入る情報が多いので、空間ごと地階に”収納”。
地下2階/ワークスペースには「必要なものに手を伸ばしやすい扉なし書棚を造作」。他とは違い、目に入る情報が多いので、空間ごと地階に”収納”。
地下1階/玄関ドアを開けてすぐの階をリビングのある階を基準にして地下1階と呼ぶ。シアタールームがあり、テレビを設置した扉の奥は収納に。
地下1階/玄関ドアを開けてすぐの階をリビングのある階を基準にして地下1階と呼ぶ。シアタールームがあり、テレビを設置した扉の奥は収納に。
三方の見通しがきかない崖地を活用。前面道路から2m高い位置にあった地盤にテラスを乗せるようにし、地上2階地下2階建ての浮遊感のある建物に。
三方の見通しがきかない崖地を活用。前面道路から2m高い位置にあった地盤にテラスを乗せるようにし、地上2階地下2階建ての浮遊感のある建物に。

House of Ingenuity とにかく「しまう家」の、アイデアと工夫。

キッチンの表に出ているものは、一日に複数回、ほぼ毎日使うもののなかの、さらにデザイン性の高いものに絞って。家電や、大小バラバラな鍋、保存容器などのように、機能的であっても、くつろぎの妨げになり得るものは扉の中にしまい、すっきり見せる。
キッチンの表に出ているものは、一日に複数回、ほぼ毎日使うもののなかの、さらにデザイン性の高いものに絞って。家電や、大小バラバラな鍋、保存容器などのように、機能的であっても、くつろぎの妨げになり得るものは扉の中にしまい、すっきり見せる。
 

夫婦揃って建築士という、青柳綾夏(あやか)さんと創(はじめ)さんが暮らすのは、ふたりが設計した家。予算が限られていたため、あえて相場より安い特殊な土地を探し、見つけたのは、高低差が4m以上ある建坪約24㎡の土地。家の一部は傾斜地に食い込むようにして立つ。コンパクトな家になることは明らかだったが、「ふたりして物を出しておきたくないタイプ。にもかかわらず、片付けが苦手なので、物の居場所を決めた上での収納の確保が大きな課題となりました」と綾夏さん。創さんいわく、「辿り着いた答えは、機能や場所をまとめ合わせること。省スペースを図るのはもちろんのこと、何より”しまいやすく””しまい込める”家づくりです」。階段途中にキッチンが現れ、バスルームは階段の踊り場で、階段は洗い場といった具合。とにかくしまうアイデアいっぱいの家を拝見する。

約50㎡の狭小地で、許容建坪は約24㎡。地下2階分を掘って、床面積を広げた。まわり階段で上下階を移動する、1フロア1室×4階建て。階段の踊り場が玄関を兼ね、階段上下は収納棚にするなどして、省スペースを実現。吹き抜け兼明かり取りを通じ、全階が繋がる。
約50㎡の狭小地で、許容建坪は約24㎡。地下2階分を掘って、床面積を広げた。まわり階段で上下階を移動する、1フロア1室×4階建て。階段の踊り場が玄関を兼ね、階段上下は収納棚にするなどして、省スペースを実現。吹き抜け兼明かり取りを通じ、全階が繋がる。
青柳綾夏 / 青柳 創 1級建築士

青柳綾夏 / 青柳 創一級建築士 / 一級建築士

妻の綾夏さんは筑波大学大学院修士課程修了。東京・杉並区で〈アオヤギデザイン〉を主宰、住宅や商業施設なども手がける。夫の創さんは東京藝術大学大学院修士課程修了。現在は設計事務所勤務。夫妻は4年前、現在小学4年生の未詠ちゃんと今の家に引っ越してきた。

photo : Yuka Uesawa illustration : Shinji Abe (karera)  edit & text : Koba.A

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