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秋にぴったりな簡単レシピ。マテバシイと塩豚の水餃子。写真と文:按田優子 (『按田餃子』 店主) #2October 17, 2025
みなさんこんにちは!
あっという間に10月も半月が過ぎ、晴れの日はまだ暑さを感じることもありますが、朝晩はぐっと冷え込むようになってきました。
私の家へ向かう道の終わりには、森を抜ける小道があります。いま、その道には、色とりどりの落ち葉が敷き詰められています。
そうなると、落っこちているものを拾いに行きたくなる時季の到来です。なにも秋に限ったことではありませんが、いろいろな木の実が落ちているこの季節。風が吹くと「あそこのどんぐりがたくさん落っこちているのでは?」と、誰かに先手を打たれないように、とそわそわします。
先日も『按田餃子』のスタッフに教えてもらった秘密の場所を覗いてみると、たくさんの椎の実が落っこちていました!!
どんぐりの類で私が拾うのは、マテバシイ一択。

とっても大きくて、アクがなくて、おいしいのです。拾った実は、水を張ったボウルに入れて、沈んだものだけを炒ります。炒るのは、フライパンでも、オーブントースターでも大丈夫。
私は、焙烙(ほうろく)という陶器の盆状のもので炒ります。ゴマや豆を炒る時に使うものです。ちなみに、こうした時にしか使わないので、滅多に洗いません。
殻がつやつやして、焦げ目が出てきたくらいで割ってみると、実が褐色に変わっています。
「熱いうちのつまみ食いが一番おいしい!」
食べてみると、どことなく甘栗のような雰囲気を感じます。ちなみに、この帽子の部分。水に入れて、どろっとしたところまで煮詰めると、インクとしても使えます。
今回は、拾い時季真っ只中のマテバシイと塩豚の水餃子の作り方を紹介したいと思います。

「材料が揃っていなくて、一気にやる気がなくなる……」なんてことがない、ふと思い立った時に作れる気軽なレシピです。
まずは、茶碗に小麦粉と水を入れて、箸でぐるぐるとかき混ぜます。水の量は、粉の重量の半分くらい。あらかた混ざったら、箸から手にバトンタッチ。ひとまとまりになるように捏ねて、茶碗をひっくり返して、生地を5分ほど寝かせます。
その間に具を刻みます。
今回の餡は、家に常備している塩豚と拾ってきたマテバシイ。それに冷蔵庫にたまたまあった、シイタケを入れました。なめろうみたいに細かく全部を刻んで、包丁で叩いて、混然一体にしていきます。
私は塩豚を強めの塩加減で作っているので、塩豚とマテバシイが同量、香り付けにシイタケ、くらいの配分で餡を作りました。家にあるものでかさ増しするなら、ジャガイモのみじん切りを入れるものおすすめ。
たっぷりのお湯で4分くらい茹でて、しっかり浮き上がってきたら出来上がり。
冷めたら焼き直してもおいしいです。

『按田餃子』 店主 按田 優子
