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『little ones』のガトーバスクには、すっきりしたネパールティーを。写真と文:大西進 (『teteria』主宰) #4October 28, 2025
最初に食べた味をずっと大事に食べ続ける。

秋はどんなにお菓子を食べても全く罪悪感がわかない。それはとてもおいしいし、おいしいものは生きているうちに迷わず食べるべきだからです。
広島の『little ones』というお菓子工房でガトーバスクという焼き菓子を初めて食べてから魅力に取り憑かれ、以来、名のあるお菓子屋で見かけるたびに買って食べていました。あまりにおいしいので、“ガトーバスクマラソン”を始めておいしさを求めていくべきかと頭をよぎったのですが、どこで食べても全部おいしくて、まったくハズレがないところを見ると、もしかしたらパーフェクトなお菓子で、今後大量にインプットするよりも、このまま最初に食べた味をずっと「心のおいしいもの倉庫」に入れておくのがいいと決めました。『little ones』では秋になると栗入りのガトーバスクが出るので、季節のおいしさを楽しんでいます。

アーモンドの粉とバターの味わいの濃厚さを存分に味わいたいので、合わせる紅茶にコクが欲しい。コクを求めると、強く抽出しようとして比例するように渋みも強くなるが、あまりに渋いと飲みにくいし、すっきりしすぎてしまうので、ここはコクあり、渋味なしの芳ばしいネパールティーと一緒に。
edit:Sayuri Otobe
『teteria』主宰 大西 進

おおにし・すすむ/1976年、群馬県生まれ。大学卒業後、紅茶専門店勤務を経て、2005年に紅茶を中心とした茶葉の卸販売と、紅茶の楽しさを伝える教室やwebショップ、紅茶メニューの開発などを行う紅茶屋『teteria(テテリア)』を始める。現在は、静岡県在住。著書に『紅茶の絵本』(ミルブックス)など。





























