MUSIC 心地よい音楽を。
DIVA、作詞家 ゆっきゅんさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1March 06, 2026
March.6– March.12
Saturday Morning

この歌をなぜか知らなくて、この前、土曜の朝にシャッフルで流れてきて泣きそうになって毎日聴いている。快活な気候で、健やかな世界で、ポップでキャッチーな音で、別離のさみしさに涙が出るのに、歌の中でもできるだけ気丈に振る舞おうとする。3月は急ぐように過ぎてゆく、終わっては始まっていく、今を過ごした二人をどんどん過去にしてしまう。思い出を増やす春という季節に、自分で頑張って太陽の方を向いて咲く花のように美しい。PUFFYさんの感傷を抑えた素直に前を向いた歌唱が本当に素晴らしい。別れは始まりなのだと自分に言い聞かせるような歌。誰かを思い出しながら散歩に行きたい。
アルバム『Bring it!』収録。
アルバム『Bring it!』収録。
Sunday Night

まだ寒い。特に夜が春に追いついてくれなくて、ちぐはぐな1か月。自転車に乗ればまだ顔と手が冷える。そんな春の夜に家を出て、自転車を15分漕いで、君に会いに行く。この15分という時間と距離を愛おしむ歌で、少しだけ近くない君の元に辿り着くまでの間が与えてくれるものについて紡がれた歌。会いに行く、つまりこのあと会えるので、悲しい関係を歌っているわけではないのに、夜の空気が表現されているからなのか、どこか切迫感のある音像と歌声なのも心がぎゅっとなる。15分の私の気持ちを君が知ることはなく、会いにくるのを部屋で待つ君の15分がどんなものか私も知ることはない、だから感動する。
アルバム『miusic 〜The best of 1997-2012〜』収録。
アルバム『miusic 〜The best of 1997-2012〜』収録。
DIVA、作詞家 ゆっきゅん

1995年、岡山県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年よりセルフプロデュースでのソロ活動「DIVA Project」を始動。楽曲を発表するほか、作詞提供、エッセイ、映画評執筆など活動は多岐にわたる。アルバムに『DIVA YOU』『生まれ変わらないあなたを』『OVER THE AURORA』がある。


























