MUSIC 心地よい音楽を。

シンガーソングライター・堀込泰行さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1November 03, 2023

November.03 – November.09, 2023

Saturday Morning

Title.
5 A.M.
Artist.
The Millennium
曲タイトルからして、朝に聴いて気持ち良くないはずがない。ただ朝5時というのは相当に早起きだなと思う。まして土曜日の朝だったら、いつもよりもゆっくりと寝ていたいもの。けれど、窓から差し込む日差しや、鳥の囀り、コップに注ぐミルクなど、爽やかな朝の風景を容易にイメージさせるこの曲で1日の始まりを迎えたら、さぞや心地が良いんじゃないかと思う。たとえその日が休日でなかったとしても、いつもより空いている通勤の道中を心地よく彩ってくれることだろう。ましてや前日の夜のお酒が残っていたりなんかしたら、一服の清涼剤として、これほど効き目のある曲もあるまい。
アルバム『Begin』収録。

Sunday Night

Title.
Our House
Artist.
Crosby, Stills, Nash & Young
大人になっても、日曜日の夜にはなんだか寂しいものを感じる。週末が終わってしまうことや、明日から憂鬱な月曜日が始まることなど、子供の頃から僕たちは「日曜の夜の憂鬱」を刷り込まれているからだろう。そのせいか、日曜夜のテレビ番組のエンディングテーマには、なんだか温かみがあって心がほっこりとするものが多かった気がする。実際にそうなのか、僕たちの気持ちのバイアスがそう感じさせていたのか。どちらでもいいけど、「日曜の夜の憂鬱」に異論を挟む人は少ないだろう。この曲は大切な人と部屋の中で過ごす温かな風景が歌われている。週末の締め括りに柔らかなカタルシスを与えてくれるのだ。
アルバム『Déjà vu』収録。

シンガソングライター 堀込泰行

1997年、兄弟バンド「キリンジ」のVo/Gtとしてデビュー。2013年4月12日 同バンドを脱退し、以後ソロアーティストとして活動を開始。14年11月19日 シングル「ブランニュー・ソング」でソロデビュー。現在までにコラボレーションEP『GOOD VIBRATIONS』を2作、フルアルバムを3作、2023年8月16日には、最新EP『星屑たち』をリリース。代表曲はソロ作「Sunday in the park+STUTS」「WHAT A BEAUTIFUL NIGHT」やキリンジ時代の「エイリアンズ」「スウィートソウル」、馬の骨の「燃え殻」など。希代のメロディメーカーとして業界内外からの信頼も厚く ポップなロックンロールから深みのあるバラードまで、 その甘い歌声は聴くものを魅了し続けている。

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