MUSIC 心地よい音楽を。

俳優、歌手 三浦透子さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.2February 14, 2025

February.14 – February.20, 2025

Saturday Morning

Title.
Fireworks
Artist.
Stina Nordenstam
冬の声といえば、私の中では彼女。「Fireworks」が収録されているアルバム『And She Closed Her Eyes』は、耳を研ぎ澄まして聴かなければと、精神を音に集中させてくれる。呼吸の音、心臓の音、衣擦れの音まで聴こえてくるかのような、スリリングな録音が私は大好きだ。鋭さもあって、ひんやりとしていて、でも、冷えた身体が吐き出す息のような、儚い温かさを感じる。曇と空の境目が見えないくらいの白っぽい灰色がベスト。防寒ばっちりにして、キンキンに冷えたベランダへ出る。身体のあったかさと顔の冷たさ。この声で寒さを引き立たせながら、あったかい紅茶でも飲んで、全力で寒がりながらあったまりたい。仕事も予定も何もない、自由で静かな土曜日の朝を、この声と共に是非。
アルバム『And She Closed Her Eyes』収録。

Sunday Night

Title.
Belleville
Artist.
Laurel Halo
たった2分半の曲なのに、ものすごく物語を感じる。この一曲で、一日の振り返りから眠りにつくまでの準備の全てを出来てしまうような、青い炎みたいな曲。土日こそお仕事だという方も、結構多いのではないでしょうか。私も、日曜日だからと言って休みとは限らない仕事をしています。ゆえに、日曜日が連勤の中日だったりすることもあるわけです。仕事で夜遅く帰って、明日も朝が早い。そんな忙しい日々の中は、布団に入っても、すぐには脳のスイッチをOFFにすることが出来ず、どこか覚醒していて騒がしい。でもお布団の中でダラダラと過ごしているほどの余裕はないぞ、という時に時短で深いところまで誘ってくれます。
アルバム『Atlas』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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俳優、歌手 三浦透子

1996年、北海道生まれ。2002年、「なっちゃん」のCMでデビュー。第94回アカデミー賞の国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)では、三浦個人としても第45回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の賞を獲得するなど、国内外で注目を集める。主演映画『そばかす』(玉田真也監督)、ドラマ『エルピス‐希望、あるいは災い‐』をはじめ、数々の作品に出演。5、6月には舞台『星の降る時』への出演も決定。また、歌手としても活躍しており、昨年11月にはビルボードライブ東京で初のワンマンライブ「三浦透子 at Billboard Live TOKYO 2024」を成功させ、追加公演「三浦透子 at Billboard Live Tour 2025」として、3/6にビルボードライブ大阪、3/10にビルボードライブ横浜での公演を控えている。

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