MUSIC 心地よい音楽を。
シンガーソングライター スカートさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.3December 19, 2025
December.19 – December.25, 2025
Saturday Morning

1日を円滑に始めるためのブースターというにはちょっと頼りないかもしれない。ガツン! といろんな音が鳴って、歌もドカン! と響く、という曲ではない。ささやかに、でも確実に私を高揚させてくれる曲がシリータの「I Love Every Little Thing About You」です。1972年発表、スティーヴィー・ワンダーがプロデュースした彼女のファーストアルバムの1曲目で、まず、シンセサイザーで刻まれるリズムに驚きます。ビョゴビョゴ、ブヨブヨとした質感が最高。そこにまさに(70年代初頭の)スティーヴィー・サウンド! とも言うべきシンセ・ベースとバタバタしたドラムが土台として組まれ、そこにエレクトリックピアノ、クラビネットやアコースティックピアノといった鍵盤楽器が乗っかり、その上でシリータのヴォーカルが踊るのです。軽やかなサウンドで軽やかに朝をスタートさせたいです。
アルバム『Syreeta』収録。
アルバム『Syreeta』収録。
Sunday Night

一番好きなクリスマス・ソングはとてもじゃないけれど決められない。NRBQの「Christmas Wish」も大好きだし、ダニー・ハサウェイの「This Christmas」も街でかかっているのを聴くたびいい気分になる。ドラえもんのキャラソンで大山のぶ代さんが歌う「ドラえもんのクリスマス」っていう最高にチアフルな曲だってある。でも、もし日曜日の喧騒から、凪に向かうために音楽を選ぶならこの曲でしょうか。ヴィンス・ガラルディ・トリオによるスヌーピーのサントラは本当に最高。ジャズを聴き始めたばかりの私には優しくも刺激的な音楽でした。金剛地武志さんがクリスマスのコンサートでカヴァーしていて知った曲でして、この曲が持つ妙なコード進行から来る浮遊感と落ち着かなさは寒い街の中、静かに高揚するクリスマスのワクワクを描いているような気がします。
アルバム『A Charlie Brown Christmas』収録。
アルバム『A Charlie Brown Christmas』収録。
シンガーソングライター スカート

どこか影を持ちながらも清涼感のあるソングライティングとバンドアンサンブルで職業・性別・年齢を問わず評判を集める不健康ポップバンド。2006年、澤部渡のソロプロジェクトとして多重録音によるレコーディングを中心に活動を開始。’10年、自身のレーベル〈カチュカ・サウンズ〉を立ち上げ、1stアルバム『エス・オー・エス』をリリースしたことにより活動を本格化。’21年4月にアニメ「オッドタクシー」オープニングテーマ「ODDTAXI」をPUNPEEとコラボで担当。豊富なお笑いの知識から、'23年9月には25歳以下限定のお笑い賞レース『UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP』決勝戦の審査員を担当、大会主題歌「期待と予感」も書き下ろした。また、そのソングライティングセンスからこれまで藤井隆、Kaede(Negicco)、三浦透子、adieu(上白石萌歌)などへの楽曲提供も行っている。さらにマルチプレイヤーとして澤部自身も敬愛するスピッツや川本真琴、ムーンライダーズらのライヴやレコーディングに参加。


























