MUSIC 心地よい音楽を。

シンガーソングライター 児玉 奈央さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1July 04, 2025

July.04 – July.10, 2025

Saturday Morning

シンガーソングライター 児玉 奈央さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1
Title.
Flowers
Artist.
Andrew Ashong, Theo Parrish
ダンスミュージックが好きだ。好きなDJはたくさんいるけどその中でも、セオ・パリッシュが来日したら可能な限り踊りに行く。少し疲れてるなあとか眠いなあとか、明日早いんだよなあとか、そんな状態で行ったとしても彼がプレイした途端、身体がふわっと軽くなって、まるで人間の身体の血液や臓器の仕組みを完全に理解しているんじゃないかというくらい、たちまち元気にさせられ、わたしは朝まで踊れてしまう。どんなジャンルでもその音楽のスピリットごとダイレクトにフロアに降り注いでいるその姿は、レコードをかけて繋ぐという行動をはるかに超えて神がかっている。ダンスミュージックは夜の音楽かもしれないけど、わたしは朝、コーヒーを淹れてこの曲を聴く。セオのビートでエネルギーが循環して目が覚めるのがわかる。
EP『Flowers』収録。

Sunday Night

シンガーソングライター 児玉 奈央さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1
Title.
The Downtown Lights
Artist.
The Blue Nile

みんなで一体感を味わうような明るい音楽では決してない。でもこのアルバムのジャケットのような深く青い夜の都会を、パーティーの後の帰り道にひとり歩きながら、何度もリピートして聴いていると、とても静かであたたかい気持ちになってくる。以前、リトルクリーチャーズの楽曲に数曲参加させていただくというとても光栄な機会があり、この曲のカバーを提案させてもらった。クリーチャーズは青い夜の都会のイメージにぴったりなクールさで、長年のフェイバリットソングを大好きなバンドとともに歌うことができて我ながらなんてナイスチョイスなのだろうと思った。
アルバム『Hats』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。
23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。
本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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シンガーソングライター 児玉 奈央

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2009年にソロ活動を開始、主な作品は『Maker』『Spark』セルフプロデュースによるアルバム『In Your Box』弾き語りアルバム『Revelation(レベレーション)』など。客演やコラボレーションも多くKan Sano、Rickie-G、冨田ラボ、RYUSENKEI、toe、lake、calm、THE BED ROOM TAPEなどの作品に参加している。エレキギターの弾き語りスタイルで日本各地に出向きライブをしている。CM、映画音楽やナレーションの活動も。最近はレコードでのDJを楽しむ。2025年6月には、タイ、チェンマイの山奥でカレン族のミュージシャンと音楽制作をした滞在記のZINE『おなじ釜のMUSIC!』を発行するなど、活動の場をさらに広げている。

naoecho.com

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