Music

音楽家・蓮沼執太さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1August 04, 2023

August.04 – August.10, 2023

Saturday Morning

Title.
Nine Preludes, OP. 103: No. 9 in E Minor. Adagio
Artist.
Gabriel Faure, Hannes Minnaar
まずは前奏曲からはじめてみようと思います。フランスの作曲家ガブリエル・フォーレの1910年作曲。この頃のフォーレは聴覚障害が始まっていたと言われています。高い音や低い音は不愉快な音にしか聴こえなかったそうです。そんな状態にも関わらず、この前奏曲は様々な音楽の語法を使って構成された全9曲からなります。この第9番は、瞑想的な旋律、どこか夢心地な余韻をたっぷりと残していて、土曜日の朝にぴったりな響きかもしれません。楽曲はシンプルの中に表情豊かでもあって、慌ただしい平日が終わり平穏な休日の始まりを感じたい時間に寄り添います。
アルバム『Gabriel Faure:Piano Music』収録。

Sunday Night

Title.
Menuet sur le nom de Haydn, M58
Artist.
Maurice Ravel, Anne Queffélec
モーリス・ラヴェルが1909年に作曲したピアノ独奏曲。アンヌ・ケフェレックが演奏する「ハイドンの名によるメヌエット」。現代は舞踏会に行くよりも、クラブに行って踊る人たちが多いと思います。そこには階級の壁もなく、音を楽しんでいると思います。作曲家ハイドンの「HAYDN」という5つの文字を音名に置き換えて規則性を作って「シラレレソ」とモティーフがあることはよく知られています。日曜日の夜、現代のクラブでかかるような曲ではないですが、ゆっくりとご自宅などで旋律に浸りたい曲です。
アルバム『Ravel The Complete Music for Piano』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

もっと読む


音楽家 蓮沼執太

1983年、東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外での音楽公演をはじめ、多数の音楽制作を行う。また「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを制作する。主な個展に「Compositions」(Pioneer Works 、ニューヨーク/ 2018)、「~ ing」(資生堂ギャラリー、東京 / 2018)などがある。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。 10月6日にニューアルバム『unpeople』をリリース予定。また、9月1日からPOST(恵比寿)にて同アルバムをテーマにした展覧会を開催予定。

shutahasunuma.com/ps

Pick Up おすすめの記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 124やっぱり、ひとりでも京都。2024.02.20 — 930円