MUSIC 心地よい音楽を。

シンガーソングライター阿部芙蓉美さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.1March 07, 2025

March.07 – March.13, 2025

Saturday Morning

Title.
highway, highway – Live in Tokyo 2023
Artist.
Kan Sano
2020年コロナ禍に普通自動車免許を取得しました。予想していたよりも運転するという行為に恐怖を覚え、泣きながら「ミラー、目視、合図…」とイメトレしつつ夜を明かしました。心を無にすることでなんとか卒業検定をパスし、最終試験も無事合格。以降、車を運転しようと思うことはほぼありません。
Kan Sanoさんの「highway, highway」を聴いたとき、ピアノの演奏が先の見えない景色にぐんぐんと道をつくり、歌声とともにどこまでも走っていけそうな気持ちになりました。免許合宿中にこの曲が聴けていたら気分が楽になったかもしれない。土曜の朝、この曲と家を抜け出してみるのはどうでしょうか。
アルバム『Live in Tokyo 2023』収録。

Sunday Night

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Title.
All My Stars Aligned
Artist.
St.Vincent
「おまもり」といえば自分の中で本そのもの、もしくは本の背表紙が該当します。読書家ではないけれど本が好き。自宅では鬼の積読。鞄に入れて1ページも読まないまま持ち運び続けただけの本もあるし、書店でさまざまな背表紙を眺め、フォント、デザイン、タイトルから栄養を得た気分になったりします。
セイント・ヴィンセントの「All My Stars Aligned」を聴いていたとき、歌詞中のフレーズが脳内で自動的に紐付けられ、この楽曲が「おまもり」のひとつになっていることに気づきました。物ではなく胸に抱いていられる「おまもり」って素敵。物憂げな日曜の夜を過ごすこともあるでしょう。そっと胸に抱いてみてください。
アルバム『Marry Me』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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シンガーソングライター 阿部芙蓉美

2007年にメジャーデビュー以降、発表する作品が数多くのCMソングや映画の主題歌に起用される。近年は都内を中心としたライブ活動、CMの歌唱や楽曲制作、ナレーション、他アーティストへの詞曲提供などを行う。2024年、フルアルバムとして11年ぶりの新作『Super Legend』を3月13日にリリース。同年6月には2012年リリースの最高傑作と呼び声高い2ndアルバム『沈黙の恋人』がアナログ化され、週間チャートに入るなど話題となる。2025年、シングル「ウー・ルー」を1月15日に配信リリース。4月6日にはデビュー前から長年親しんできた三軒茶屋グレープフルーツムーンにて、本人ひとりによる昼・夜2公演のソロライブ「LIVE ABESOLOMI」を開催。

abefuyumi.com

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