INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。

家事動線を確保しやすいアイランド型キッチンは、スウェーデンに住む叔母の家をイメージして。【築43年の昭和の一軒家、和を残しつつ北欧テイストのDIY改装。】February 11, 2023

2023年1月20日発売の『&Premium』の特集「楽しく部屋を、整える」で紹介した、フリーライターの桒原さやかさんとスウェーデン人の夫、オリバー・ルンドクイストさんが長女の春ちゃん、長男の明ちゃんと住む家。古い家を手に入れ自分たちの手で改装。〝北欧のように〞を叶えるコツを、部屋の空間ごとに聞きました。まずはキッチンから。

重さに耐えうる合板を壁に張ってから取り付けた、〈イケア〉のキャビネット。色のキレイなもの、大好きなコーヒー&ティーグッズだけは表に飾りながらしまう。古い家であることを感じさせないクリーンさ。「北欧では家電や家具も含め真っ白にする家が多い。暗い冬が長いから家では晴れやかに過ごせるようにね」とオリバーさん。
重さに耐えうる合板を壁に張ってから取り付けた、〈イケア〉のキャビネット。色のキレイなもの、大好きなコーヒー&ティーグッズだけは表に飾りながらしまう。

Kitchen

中央にカウンターを置き、ほかは 壁づけにしたオープンキッチン。

 家の中でいちばん初めにリフォームに取りかかった、キッチン。「床や壁を張り替えていくうち、自分たちもだんだんとその気になっていき、『全部やってみようか』という勢いで、着手しました」とオリバーさん。「イメージしたのはスウェーデンに住むオリバーの叔母の家のキッチン。キッチン台やキャビネットが壁づけで、家事動線を確保しやすく、それでいて例えばおしゃべりしながら料理を待つ人が集えるアイランドのあるスタイルです」とさやかさん。採用したのは、コンロや換気扇以外〈イケア〉のもの。以前のものをすべて取り除き、新たに組み立て設置した。「オリバーが”しまいたい派”なので、扉付き収納メインです」

本格的な中華料理を作るオリバーさんが使いたい火力の強い業務用コンロを左に、ふだん使いするコンロを右に、2台セットした。窓の向こうの裏山には時おり狸が来訪。古い家であることを感じさせないクリーンさ。「北欧では家電や家具も含め真っ白にする家が多い。暗い冬が長いから家では晴れやかに過ごせるようにね」とオリバーさん。
本格的な中華料理を作るオリバーさんが使いたい火力の強い業務用コンロを左に、ふだん使いするコンロを右に、2台セットした。窓の向こうの裏山には時おり狸が来訪。

UNDER CONSTRUCTION

団地仕様のキッチンがあったのを解体しながら外すのは数時間で終了。次に壁に石膏ボードを取り付けた。 北欧 DIY改装 北欧、暮らしの道具店 イケア 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』 (ワニブックス) 、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』 (オレンジページ) 桒原さやか フリーライター・エッセイスト オリバー・ルンドクイスト
団地仕様のキッチンがあったのを解体しながら外すのは数時間で終了。次に壁に石膏ボードを取り付けた。
窓に向かって左に勝手口があったのを塞ぎ、上に換気扇を取り付けた。そこの壁は掃除がしやすいようタイル張りに。北欧 DIY改装 北欧、暮らしの道具店 イケア 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』 (ワニブックス) 、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』 (オレンジページ) 桒原さやか フリーライター・エッセイスト オリバー・ルンドクイスト
窓に向かって左に勝手口があったのを塞ぎ、上に換気扇を取り付けた。そこの壁は掃除がしやすいようタイル張りに。
棚の組み立てには想定外の工具が必要になることも。「説明書を熟読、計画を立てておくのがカギ」とふたり。北欧 DIY改装 北欧、暮らしの道具店 イケア 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』 (ワニブックス) 、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』 (オレンジページ) 桒原さやか フリーライター・エッセイスト オリバー・ルンドクイスト
棚の組み立てには想定外の工具が必要になることも。「説明書を熟読、計画を立てておくのがカギ」とふたり。

A FAMILY'S DIY RENOVATION

北欧でベーシックカラーといえば、白。インテリアなら、まず壁を白くし、そこにウッディベージュを加え、ややくすんだきれい色をトッピングすると”北欧風”になる。 北欧 DIY改装 北欧、暮らしの道具店 イケア 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』(オレンジページ)桒原さやか フリーライター・エッセイスト オリバー・ルンドクイスト
北欧でベーシックカラーといえば、白。インテリアなら、まず壁を白くし、そこにウッディベージュを加え、ややくすんだきれい色をトッピングすると”北欧風”になる。
 

知識より大切なのは楽しむこと。
失敗も心地よさでカバーできる!

 桒原さやかさんとオリバー・ルンドクイストさんは築43年の家を自ら改装しながら住んでいる。暮らしの手本は、結婚後に住んだ北極圏に位置する街、ノルウェーのトロムソの人々。
「誰もが、家が心地いいものであることにこだわっていました。とくに極寒の冬は家に籠もりがちになるからのようで、楽しみや暮らしやすさのためにDIYや改装を繰り返します。そうやって家を自分たちにぴったりのカタチに近づけていくんです」とさやかさん。オリバーさんによれば「北欧の人はなんでも自分で決めたい」のだとか。「納得する家づくりのため、面倒なんて平気、完璧かどうかも気にしません」
 2017年、日本に帰国して住む先に選んだのは「自然が近く北欧に似ていた」長野県の松本市。借家を経て、昭和の古い一軒家を購入。知識がなくても「YouTubeを見れば何とかなる(実際何とかなった!)」と、暮らしながら改装に取りかかった。古い家を選んだのは、格安だったのと、「大工さんが手がけたしっかりとした造りの昔の家を残したい」という思いから。トライ&エラー多めでようやくいい感じに仕上がってきて、3度目の冬を迎えている。

 
階に6部屋、2階に3部屋あった家を4LDK+クローゼット&洗濯室に。ストーブの設置、窓ガラスの入れ替え以外のほとんどを家族で改装。裏山には畑も作った。北欧 DIY改装 北欧、暮らしの道具店 イケア 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』(オレンジページ)桒原さやか フリーライター・エッセイスト オリバー・ルンドクイスト
1階に6部屋、2階に3部屋あった家を4LDK+クローゼット&洗濯室に。ストーブの設置、窓ガラスの入れ替え以外のほとんどを家族で改装。裏山には畑も作った。
 

桒原さやか Sayaka Kuwabara 
フリーライター・エッセイスト

オリバー・ルンドクイスト Oliver Lundquist 
フリーWEBディベロッパー

〈イケア〉〈北欧、暮らしの道具店〉で働いていたさやかさんとオリバーさんは同僚として出会い、結婚。ノルウェーで暮らした後に帰国し、松本に居を構える。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『家族が笑顔になる 北欧流の暮らし方』(オレンジページ)。

photo : Mai Tanaka illustration : Shinji Abe (karera) edit & text : Koba.A

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