BOOK 本と言葉。
20代のときに、私の生き方を変えた本。『海辺のカフカ』/東京・杉並『BREWBOOKS』 が届けるベターライフブックス。March 12, 2026
This Week Theme20代のときに、私の生き方を変えた本。
Book of the Week『海辺のカフカ』 村上春樹 著(新潮社版)

15歳のカフカ君が東京の家を捨て、一人で四国へ向かうところから物語は始まります。当時文学部の学生だった私は、好きな小説だからという安直な理由でこの作品を卒論で取り上げることにしました。何度も通読しました。何を論じればいいのかさっぱりわからなかったから。取っ掛かりを掴むために何度も何度も読んでいるうちに、途方に暮れるほどたくさんのマテリアルが絡み合って物語を成立せしめていることが分かってきました。小説というのは世界を丸ごと言葉で言い表さんとする途方もない芸術なんだと、その時思い知りました。私は「悪」というものの有り様をこの物語に見出しましたが、何を見出すかは読者に委ねられています。力のある作品を何度もしつこく自分なりに読むこと。それでしか見られない景色があるということ。そういったことを教えてくれた小説です。
BOOKSHOP BREWBOOKS

東京・西荻窪にあるクラフトビールを片手に楽しめるブック&ビアスタンド。店主の尾崎大輔さんは、大学では日本文学を専攻。IT企業でシステムエンジニアとして10年以上勤務後、2018年にBREWBOOKSをオープン。「本が好きでつながる安全地帯」となる空間を目指している。1階は新刊・棚貸し本屋空間。2階の畳の空間では「短歌部」や読書会が定期的に開催されており、短歌に関するイベントや展示も積極的に行われている。
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営業時間:12:00〜19:00
定休日:月曜と第2・4火休

























