BOOK 本と言葉。
本屋が届けるベターライフブックス。『桂米朝コレクション (一) 四季折々』桂米朝 著 (ちくま文庫) 選・文 / 本屋プラグ / April 28, 2022
This Month Theme花を飾り、植物を育てることが楽しくなる本。
夏のある日、そそっかしい男が友人の宅に遊びに行くと、部屋の床柱に何やら草が吊るされている。友人曰く、それは蛇含草(じゃがんそう)と呼ばれる、人間を丸呑みにするウワバミの腹薬。人間を丸呑みにしたために腹が張って苦しいウワバミが蛇含草を舐めると、腹の中の人間が溶けて助かる。魔除けにもなるそうで、こうして吊るしているという。
蛇含草は和名をオヘビイチゴといい、田んぼの畔などに生えるバラ科の多年草だが、こうした草花ひとつも、ちょっとした話の種になるのだから面白い。
ちなみに、その友人の宅で餅を食べ過ぎ、腹が苦しくなった男。そこで、分けて貰った蛇含草を帰って食べたところ、「人間のほうがすっかり溶けてしもて、餅が甚平を着てすわってた」というのが落語「蛇含草」のオチ。
BOOKSHOP 本屋プラグ
和歌山市万町の小さな本屋。新刊・雑誌・古本・古書・絵本・リトルプレス・ZINEなどを取り扱う。本に纏わるトークイベントや、落語会、音楽イベント等も。和歌山ミニシアター企画共同主催。 最寄り駅は南海電鉄和歌山市駅。
住所:和歌山県和歌山市万町4 ニューリチャードビル 南1F
営業時間12:00〜20:00 (土日は18:00まで)
定休日:水曜