BOOK 本と言葉。
本屋が届けるベターライフブックス。『風土 人間学的考察』和辻哲郎(岩波書店)選・文 / 京都・大龍堂書店 / August 01, 2019
This Month Theme住まいを変えるのが楽しくなる本。
和辻は昭和の初めに「風土的歴史」と「歴史的風土」の検証をしなければならないと唱えている。世界には3つの風土圏がある。その風土の中から出来上がる建築の型は自然との共生である。建築は地産地消である。そこ形には「先人の知恵がある」。そこに設計者・施工者・施主のコラボを持ち、「新・ジャポニズム」を構築しなければならない。風土とは単なる自然環境ではなくして、人間の精神構造の中に刻みこまれた自己了解の仕方に他ならない。この観点から著者(1889–1960)はモンスーン・砂漠・牧場の三類型を設定し、世界各地域の民族・文化・社会の特質を見事に浮彫りにした。
TAIRYUDO 京都・大龍堂書店
京都で昭和元年に先代が創立した建築書専門の書店。現在は店主・山岸豊さんが営み、今年で80年目を迎える。京都の建築サロンと情報交換の場となることを心掛けている。
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町175
平日9:00~18:00、日曜祝日13:00~18:00