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選・文 / Book Shop Kasper / December 16, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『THE BADGER’S SONG』ミヒャエル・ボレマンス 著 (WALTHER KÖNIG)

This Month Theme静かな場所でゆっくり読み耽りたい本。

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ベルギーの具象画家ミヒャエル・ボレマンスの作品集。ボレマンスの作品について語ろうとすると、いつまでもその本質に辿り着けないような気持ちにさせられる。自らの内にある暗部を意識させられること。意識の外にある不穏と対峙すること。一人でなければページをめくれない本。


選・文 / Book Shop Kasper / December 09, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『イーダ 美しい化石になった小さなサルのものがたり』ヨルン・フールム 著 トルシュタイン・ヘレヴェ 著 (創元社)

This Month Theme静かな場所でゆっくり読み耽りたい本。

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4700前にドイツの森で、生きていた小さなサルのイーダ。お母さんの愛情をたっぷり受けて元気に育っていくイーダに、ある日不幸な出来事が起きて……。エステル・ ヴァン・フルセンによる美しいイラストで、イーダが化石になるまでの物語が生き生きと描かれている。生き物が好きな息子と読んでいるうちに、大人の私も引き込まれてしまったサイエンス絵本。


選・文 / Book Shop Kasper / December 02, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『東京の生活史』岸 政彦 編(筑摩書房)

This Month Theme静かな場所でゆっくり読み耽りたい本。

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『東京の生活史』は、東京で暮らす150人の人のインタビュー。祖父母と同じ世代の人々の語る戦争体験。空襲や終戦の思い出、結婚や家族との別離。自分と同じ世代の人が体験して来た東京のカルチャーシーンについて。この本のプロジェクトは、語り手を公募するのではなく、聞き手を公募することから始まったと知り驚いた。「私たちは、どれくらい積極的に受動的になれるか」。社会の大きな畝りの中に埋もれる個人の声を大切に掬い上げること。それぞれのかけがえのない人生の愛おしさを感じて静かな気持ちになる。


選・文 / Book Shop Kasper / November 25, 2021 本屋が届けるベターライフブックス。『蜜のように甘く』イーディス・パールマン 著 古屋 美登里 訳(亜紀書房)

This Month Theme静かな場所でゆっくり読み耽りたい本。

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イーディス・パールマンによる10編の短編集。「初心」は、足専門のケアサロンを営む女性ペイジが主人公の物語。戦争で夫に先立たれた彼女のもとに訪れた孤独な男。施術を通して二人は命にまつわる互いの秘密の物語を交換することになる。主人公がサロンで足を洗う場面は、聖書の沐浴の場面に重ねられ、その慈しみの行為の描写の美しさに胸を突かれる。パールマンは、人生の何気のない瞬間の出来事を美しい一編のショートフィルムのように浮かび上がらせ、心に鮮やかな傷跡を残していく。


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ファション誌、美術書、料理本、児童文学、絵本など店主の青木真緒さんがジャンルにこだわらずにセレクトした日常に寄り添う本に出合える。併設のギャラリーでは個展やイベントも開催している。
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色1462-5
営業時間:11:00 – 17:00
定休日:木、金曜

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Latest Issue家で使う、飾る、美しいもの。2022.05.20 — 880円