BOOK 本と言葉。
『へたなんよ』ひこ・田中 ・文 はまの ゆか・絵(光村教育図書) 選・文/よもぎBOOKSBook 94 / December 08, 2017
This Month Theme心が温まる絵本。
年をとるといろんなことが「へた」になります。耳が遠くなり電話にでるのが下手になり、ものを覚えるのが下手になり、歩くのも下手になります。おばあちゃんの代わりに電話にでたり、歩くのを支えたりする孫のネネちゃんが「おばあちゃん、へたやねぇ」と言い、おばあちゃんは「ネネちゃんはじょうずやねぇ」と褒めます。日常、「へた」というのは相手を見下すような言い方になりがちですが、本来、へたであることは一つの人間らしさであったり、相手に歩み寄るひとつの能力のように感じます。誰にでも必ず下手なところがあり、上手なところがあります。下手だからこそ上手な人を褒めることができ、相手の心を温めることができます。心温まった相手は、また誰かを褒め、そのあたたかな輪はどんどんひろがっていくのです。全編関西弁の、とても優しい絵本です。
YOMOGI BOOKS よもぎBOOKS
2017年に東京都三鷹市にて実店舗をオープン。また、山梨県にあるギャラリーカフェ「ナノリウム」(山梨県富士吉田市上吉田4583−6)に本棚を間借りして販売。Webショップでも販売を展開。絵本を中心に何度も読みかえす本、思考に新しい示唆を与えてくれるような本を選書している。
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