BOOK 本と言葉。
『シカゴ育ち』スチュアート・ダイベック 柴田元幸 訳 (白水uブックス)Book 02 / November 27, 2015
This Month Theme冬に読みたいベターライフな本。
訳者の柴田元幸さん自身、2003年に寄せたあとがきのなかで「これまで訳したなかでいちばん好きな本」と語る、叙情溢れる名短編集。冒頭の「冬のショパン」は、雪がちらつく季節になるたびに読み返す個人的なフェイヴァリット。冬の日、階上で響くピアノの音にじっと耳を澄ます少年に、不思議なほど感情移入してしまう。雪の降り積もる音まで聴こえてきそうな、綴られる会話や情景は饒舌ながら通奏低音は「しん」とした一編。
Seikosha 誠光社
〈恵文社一乗寺店〉で店長を務めた堀部篤史が退社後、2015年11月に京都河原町に開店。本屋の新しいあり方を模索、提案するべく始めた実験的アプローチが光る。
京都府京都市上京区俵屋町437